「米中冷戦」 余命ブログ以外の分析
余命三年時事日記を理解する助けになるでしょうか。。。
2ch版の読者様からよい記事(資料)があるという情報をいただきました。本稿ではその記事のまとめを提供いたします。元記事は、全9回に渡る「米中冷戦」に関する分析記事です(2012年記事)。とても長い記事です。
全てを細かくまとめると長くなり過ぎますので、今回は第2回記事「地政学的に恵まれた日本」のまとめのみ提供いたします。地政学を基にした興味深い分析です。
残りの記事も折を見て少しずつまとめていきたいと思います。
第1回記事「序論」のまとめ http://yomeinomatome.blogspot.jp/2015/11/1.html
第9回記事「結論」のまとめ http://yomeinomatome.blogspot.jp/2015/11/9.html
以下、簡単まとめ
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東アジアの地政学
最近の情勢を考えるには、歴史を踏まえる必要がある
歴史には、それを決定付けることになった地理的条件がある
そこで、「東アジアの地政学」
[大前提1] 世界の覇権は海上覇権
[大前提2] 島国有利の法則
[大前提3] 侵略しにくい他文明との距離・稠密な人口
[大前提4] 日本は東アジアの関所
[大前提5] 水や自然に恵まれる
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[大前提1] 世界の覇権は海上覇権
・大航海時代以降、世界の覇権国家は海の覇権国家
・エネルギーを消費する陸上輸送に比べ、船を使った海上輸送はコストがはるかに安い
・地続きでない国とも交易可能で、大陸間の「裁定取引」が可能
・海の覇権国家は巨額の利益を得て世界の覇権国家となった
・現在は、空の覇権を取った国が軍事的に最強だが、それも海上交通の安全を守るために必要なもの(貿易で利益を得るには安全な海上交通が必要)
・どのみち、米国が航空・宇宙・海洋において最強の覇権国家であることに変わりはない
[大前提2] 島国有利の法則
・島国は結果的に文民統制しやすい国になる
…陸海空の戦力バランスより
…島国は、陸上戦力に力を割く必要がそれほどない
…人数が多く、ともすれば国内圧政に使われる陸軍がダントツの力を持ちにくい
・海洋国家は、知的産業や戦争で有利な位置にいる
…科学技術が発達しやすい環境(海空の戦いは装備・戦略で決着)
…金融が発達しやすい環境(貿易・投資の必要性)
・ちなみに米も海洋国家
[大前提3] 侵略しにくい他文明との距離・稠密な人口
・日本はアジア大陸(他文明)と程よい距離にある
…平時には大陸から文明を吸収、そうでなければ列島に引きこもれる
・日本は欧州(他文明)から最も遠い場所
…欧州の大航海時代、日本到達は大旅行
…大軍を送ったら本国が他の列強にやられてしまう可能性があった
・欧州の大航海時代は日本の戦国時代
…大航海の末に辿り着いた日本には、戦国時代の超リアリスト武将たちが世界最多の鉄砲を構えて待っていた
…宗教を使って手なづけようともしたが、超リアリスト武将どもがすかさず弾圧
・これらの幸運も手伝って、日本は欧州の植民地にされることなく独立を保つことができた
[大前提4] 日本は東アジアの関所
・地政学には「チョークポイント」という言葉がある
…「チョークポイント」とは、特に海上交通で通らねばならない要衝のこと
・世界的に重要なチョークポイントの例
…パナマ運河(中米・パナマ、太平洋とカリブ海・大西洋を結ぶ、かつては米支配)
…スエズ運河(中東・エジプト、地中海と紅海を結ぶ、かつては英支配)
…ジブラルタル海峡(地中海の大西洋側出入口、現在でも英軍・スペイン軍が駐屯)
・日本のチョークポイント
…日米中露韓朝にとって重要な、東アジアのローカルなチョークポイント
…宗谷海峡、津軽海峡、対馬海峡、大隅海峡、宮古海峡など
…日本列島は、中露に対して嫌がらせのように海上交通を邪魔している
…中露韓朝にとっては、海に出入りする道にことごとく関所を設けられているようなもの
…米にとっては、日米豪の三角形で太平洋を内海にできる
…米は、中露を封じ込める意味でも、日本列島や沖縄・台湾を手放すわけには行かない
信濃注:
ついでに千島列島も押さえれば、露・ウラジオ艦隊が太平洋に出てこれなくなるのですが、これは露が許さないでしょうね。同じような理由で、北方領土4島を日本に返還すれば、日米に有事のオホーツク海航路を与えることになるので、返還交渉はなかなか進まないのだと思われます。
(以上)
[大前提5] 水や自然に恵まれる
・高い山は豊かな雨や雪を降らせ、砂漠化や塩害とは無縁
・豊かな山林が海を潤し、世界三大漁場のひとつを独占
・山と川が国土を適度に分断し、地方色の豊かさと健全な競争をもたらしている
・活発な造山活動からは温泉・地熱・農業に必要な養分などの恩恵を与えられる
・台風、洪水、地震、噴火などの災害とひきかえに、人と自然が共存する環境が整っている
最後に、日本の強みと弱み
・日本は、英の島国的有利さと、欧州大陸の多様性を兼ね備えた国土
・様々な違いはあっても、最後は万世一系の天皇陛下のもとにまとまることもその強さの源
・日本の弱点
…1.石油などの戦争用エネルギーが少ないこと
…2.戦略的縦深性に乏しいこと
…従って、シーレーン(海の道)を確保しないと発展できない
・日本は、国内ですべて賄える米にはかなわないが、それ以外は何でも揃っている「地上のプチ楽園」と呼べるだろう
信濃注:縦深
軍隊で、最前線から後方に至るまでの縦の線。「-陣地」
(以上)
以下、元記事
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米中冷戦における日本(2):地政学的に恵まれた日本
「ワイルドインベスターズ ブログ 「それを教えちゃマズイだろ!」」様
2012年8月24日記事「米中冷戦における日本(2):地政学的に恵まれた日本」
http://wildinvestors.cocolog-nifty.com/blog/2012/08/post-1108.html
最近の情勢を考える前には、歴史を踏まえる必要があります。
さらにその前に、歴史を決定付けることになった地理的条件があると考えます。
そんなわけでまず、東アジアの地政学についておさらいします。
[大前提1] 世界の覇権は海上覇権
大航海時代以降、世界の覇権国家は海の覇権国家でした。
それまでは陸上交通の要衝を押さえた国が有利でしたが、航海技術の発達とともに「海の道」が開拓されました。エネルギーを消費する陸上輸送に比べ、船を使った海上輸送はコストがはるかに安いです。さらに地続きでない国とも交易をすることが可能で、大陸間の「裁定取引」が可能でした。貿易によって利益を得るためには安全な海上交通が必要であり、海の覇権国家は巨額の利益を得て世界の覇権国家となりました。
現在は空の覇権を取った国が軍事的に最強だと思いますが、それも海上交通の安全を守るために必要なのです。そしてどのみち米国が航空・宇宙・海洋において最強の覇権国家であることに変わりありません。
[大前提2] 島国有利の法則
覇権を握るためには他国が邪魔をしにくい海へのアクセスが必要です。理想的には島国であったほうが良いでしょう。というのも陸の戦いは戦いを終わらせる占領のため人数が必要で、攻めるほうも守るほうもコストが高く、多くの民間人が巻き添えになるからです。
その点、島国は楽です。
島国の戦争は、空と海で軍隊が負けたら終わり
ロシアのように千万単位の死者を出す前に、負けたことがはっきりわかります。相手が許してくれるかどうかわかりませんが、さっさと敗北を認めることで再起を図ることができるのです。また陸上戦力に力を割く必要がそれほどありませんから、最も人数が多く、ともすれば国内の圧政に使われることもある陸軍がダントツの力を持ちにくくなります。結果として文民統制しやすい国になります。
そもそも相手の装備と国力を見れば、勝つか負けるか軍関係者にはだいたいわかります。政治家や国民に強く求められたら戦うしかないですが、少なくとも軍隊が負ける戦いを好んで選ぶことはありません。
そして海と空の戦いは装備と戦略で決着します。
脳ミソ筋肉になりがちな大陸国家に対し、海洋国家はロジカルでなくてはならず科学技術が発達しやすい環境にあるのです。さらに海洋国家(都市)は貿易や投資の必要性から金融が発達します。ロンドン・ニューヨークは言うまでもなく、鎖国時代の日本でさえ先物取引を生み出しました。今でもメジャー金融センターは海洋国家あるいは海上交易都市です。その結果、情報産業が発達して戦費調達がしやすくなるというメリットがあります。
知的な産業や戦争において、海洋国家は有利な位置にいると言えるでしょう。
ちなみにアメリカは海洋国家です。カナダやメキシコと国境を接していますが、ともに大きな脅威ではないため大陸の有利さと島国の有利さを持ち合わせています。
[大前提3] 侵略しにくい他文明との距離・稠密な人口
仮に日本がもっとアジア大陸から離れていたとしたら、中華文明から様々なものを学ぶことはできなかったでしょう。南洋の島々のように、ある日突然優れた西洋文明と対決しなくてはならなかったかもしれません。逆に朝鮮半島のように陸続きだったとしたら、中華文明や東方正教会文明(ロシア文明)に影響されまくったことでしょう。中華文明が苦しめられた北方異民族から何度も侵入されたに違いありません。
平和なときは大陸から文明を吸収し、そうでなければ列島に引きこもれる都合の良い距離にありました。それによって独自の文明が根底から破壊されることなく続いてきたと言えます。同じ条件にある国としてはイギリスが挙げられます。
さらに幸運なことに、大航海時代にブイブイ言わせていた欧州諸国とは最も遠い場所にありました。オーストラリアやニュージーランドよりも遠く地球を半周以上するぐらいの航海が必要だったのです。
当然ながら北極海は使えません。パナマ運河がないので南米マゼラン海峡を通るとしても危なくてしょうがない。スエズ運河がないのでアフリカ最南端の喜望峰経由だと26,800km(地球5/8周以上)。 しかも寒暖の差や季節逆転・再逆転、海賊や風土病と戦いながらの大旅行です。さらにたどり着いた先には、戦国時代の超リアリスト武将たちが世界最多の鉄砲を構えて待っていました。
この極東の土人にはポルトガルから買った火縄銃を自国生産する能力があり、国内で争ううちに鎖国さえ可能な大軍事国家になっていたのです。宗教を使って手なづけようともしましたが、超リアリスト武将どもがその意図を察知してすかさず弾圧しました。
人口が少ない北米・南米・ニュージーランド・オーストラリアであれば武器・疫病・権謀でたやすく原住民を駆逐することができました。しかし中国インドのように人口が多い国を支配することはまだ難しく、産業革命によって大きな差がつくまで植民地化は難しかったようです。
戦国時代明けの日本は人口が多く、火力で圧倒し、かつマキャベリも真っ青の謀略国家でした。欧州から援軍を送りたいところですが日本は遠すぎます。ムキになって大軍を送ったら本国が他の列強にやられてしまう可能性があり、全くコストに見合わなかったのです。そんな幸運も手伝って、日本は欧州の植民地にされることなく独立を保つことができたのです。
[大前提4] 日本は東アジアの関所
地政学には「チョークポイント」という言葉があります。
特に海上交通において通らなければならない要衝のことです。
そして日本列島は中国やロシアに対し、いやがらせのように海上交通を邪魔しています。
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せと弘幸BLOG『日本よ何処へ』
2010年09月22日
【尖閣】日本は最大の国難に直面より
http://blog.livedoor.jp/the_radical_right/archives/52564663.html
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世界的に重要なチョークポイントであれば、かつてのパナマ運河、スエズ運河、いまのジブラルタルのようにおそらく英米は直接統治に乗り出したでしょう。
しかし幸運なことに日本が持つ
宗谷海峡
津軽海峡
対馬海峡
大隅海峡
宮古海峡
などは、東アジアのローカルなチョークポイントです。
ロシア・中国・韓国・北朝鮮にとっては海に出入りするための道にことごとく関所を設けられているようなものです。自由に通行できれば良いのですが、妙に好奇心旺盛でときに武闘派なお気楽土人が居座っているためままなりません。こいつらの数が少なければ何とかなりそうですが、米を栽培して人口稠密の上に魚や野菜を食べて温泉につかるご長寿民族なのでなかなか数が減りません。氷河期ですら暖流と温泉に守られて人がそれなりに居たようです。
アメリカにしてみれば米・豪・日の三角形で太平洋を内海にすることができます。中露を封じ込める意味でも、日本列島や沖縄・台湾を手放すわけには行かないのです。
[大前提5] 水や自然に恵まれる
それら絶妙のポジショニングに加え、日本は水や自然に恵まれています。
高い山は豊かな雨や雪を降らせ、砂漠化や塩害とは無縁です。豊かな山林が海を潤し、世界三大漁場のひとつを独占しています。山と川が国土を適度に分断し、地方色の豊かさと健全な競争をもたらしています。活発な造山活動からは温泉・地熱・農業に必要な養分などの恩恵を与えられます。台風、洪水、地震、噴火などの災害とひきかえに、人と自然が共存する環境が整っているのです。
こうして見ると、日本はイギリスの島国的有利さと欧州大陸の多様性を兼ね備えた国土だと言えるでしょう。様々な違いはあっても最後は万世一系の天皇陛下のもとにまとまることもその強さの源です。
日本の弱点を挙げるとしたら、
1.石油などの戦争用エネルギーが少ないこと
2.戦略的縦深性に乏しいこと
で、シーレーン(海の道)を確保しておかないと発展できないことがあります。この点では国内ですべて賄えるアメリカのチートさ(インチキ度合い)にはかないません。しかしそれ以外は何でも揃っている「地上のプチ楽園」と呼べるでしょう。
(続く)
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「ワイルドインベスターズ ブログ 「それを教えちゃマズイだろ!」」様
2012年8月23日記事「米中冷戦における日本(1):序論」
http://wildinvestors.cocolog-nifty.com/blog/2012/08/post-1108.html
2012年8月24日記事「米中冷戦における日本(2):地政学的に恵まれた日本」
http://wildinvestors.cocolog-nifty.com/blog/2012/08/2-9dbe.html
2012年8月27日記事「米中冷戦における日本(3):中華文明が進歩しない理由」
http://wildinvestors.cocolog-nifty.com/blog/2012/08/3-5770.html
2012年8月29日記事「米中冷戦における日本(4):朝鮮半島の思考回路」
http://wildinvestors.cocolog-nifty.com/blog/2012/08/4-49ee.html
2012年8月31日記事「米中冷戦における日本(5):軍部利権としての朝鮮併合」
http://wildinvestors.cocolog-nifty.com/blog/2012/08/5.html
2012年9月3日記事「米中冷戦における日本(6):日本が韓国に甘い理由」
http://wildinvestors.cocolog-nifty.com/blog/2012/09/6-ca1c.html
2012年9月4日記事「米中冷戦における日本(7):日韓、米日、沖縄の相似形」
http://wildinvestors.cocolog-nifty.com/blog/2012/09/7-db2e.html
2012年9月11日記事「米中冷戦における日本(8):「戦利品」としての日本の価値」
http://wildinvestors.cocolog-nifty.com/blog/2012/09/8-1210.html
2012年9月17日記事「米中冷戦における日本(9終):中韓朝との冷戦か、米英とのリアル戦争か」
http://wildinvestors.cocolog-nifty.com/blog/2012/09/9-3553.html
ブログ主様のプロフィール(公開情報、2015.11.14時点)
逆張り投資家
1行紹介
「日本を投資大国にする!」ために情報発信しているプロ投資家です。
自己紹介文
「投資や国際情勢に関するディープな話題を中心に、人生に役立つ与太話を提供します。
ごく片手間ですので、忙しさに応じて更新回数が変わります。基本的に引きこもりのオタクですから、コメントに対する返事はあまり期待しないでください(笑)。」
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※2015.12.12、重要文強調(文章は変更なし)
※2015.12.12、モバイル表示対応に変更(インデント解除)
※2015.12.25、「要約」を要約集に移動
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