「米中冷戦」 余命ブログ以外の分析
余命三年時事日記を理解する助けになるでしょうか。。。
2ch版の読者様からよい記事(資料)があるという情報をいただきました。本稿ではその記事のまとめを提供いたします。元記事は、全9回に渡る「米中冷戦」に関する分析記事です(2012年記事)。とても長い記事です。
全てを細かくまとめると長くなり過ぎますので、今回は第3回記事「中華文明が進歩しない理由」のまとめのみ提供いたします。中華思想と朱子学を基にした興味深い分析です。
残りの記事も折を見て少しずつまとめていきたいと思います。
第1回記事「序論」のまとめ http://yomeinomatome.blogspot.jp/2015/11/1.html
第2回記事「地政学的に恵まれた日本」 http://yomeinomatome.blogspot.jp/2015/12/2.html
第9回記事「結論」のまとめ http://yomeinomatome.blogspot.jp/2015/11/9.html
以下、簡単まとめ
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1.地理的条件
・日本と比べて、他の東アジア諸国は厳しい地理的条件、自然条件
・特に中国北部は比較的平坦な地形、外敵を防ぐものは何もない
…自分の安全圏を広げるために他国を侵略
・広い領土で多くの民族を支配するには、「圧政」になりがち
…不満を外に向けるために外に敵を作る
…引っ込みがつかなくなって本当に侵略する
…最後は分裂して血みどろの殺し合い、それが大陸国家の宿命
2.中華思想の発生
・中国は、たとえ異民族に占領されても、長い時間をかけて融合し、文化的に呑み込んできた
・民族がほとんど入れ替わっても支那は支那、その意味では非常に懐の深い地域
・中国大陸は、長い間、世界の最先端を走っていた
…中国は、文明の歴史と厚みにおいて、周辺国と圧倒的な格差があった
・その中で「中国は世界の中心である。周辺国はそれに従うべし」と考える中華思想が生まれた
(生まれたのは、それほどおかしなことではない)
3.朱子学の発生
・中国は、南宋で朱子学が生まれたあたりから様子がおかしくなってくる
…南宋は国力が弱く、世界の中心のはずである中華がなぜこれほど惨めなのかという疑問に答えつつ、社会秩序を維持しなければならなかった
・朱子学の思想体系は、「親と子」、「君主と家臣」などの関係を絶対的なものとし、支配者にとって都合の良いもの
…明の時代には、科挙に唯一必要な国家教学となって浸透
…朝鮮に入って仏教に取って代わり、琉球や日本にも入って大きな影響を与えた
・朱子学は、強い愛国心や権威に対する忠誠心を生み社会を安定させた
・朱子学は、副作用として、排他的で他民族を見下す傾向を強めた
…他の優れた文明や人物を見ても「道徳的には自分のほうが上」で済ませてしまうので、反省して進歩することがない
・朱子学の強い影響下にある中華文明、中国・朝鮮は、情報公開・ディスカッション・法律や条約による解決といったものを非常に嫌がる
…自分の「意見」を繰り返すだけで、相手の言い分や証拠と比べて確かめようとしない
・朝鮮半島は「小中華思想」(小中華)と呼ばれている
…朱子学の傾向は、朝鮮半島で純化され、極端に強い
・日本人も多かれ少なかれ、朱子学の副作用から無縁ではいられない
…日本でも、時代や集団によってはかなり近い人たちがいる
(密約が好きだったり、ビデオを隠しちゃったりするような人々)
信濃注:
「ビデオを隠しちゃったりするような人々」とは、2012年8月27日出稿記事ということを考えると、尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件に対応した民主党のことだと思います。ちょうど出稿の時期に、尖閣諸島の国有化が話題になっています。
関連年表
2010年9月7日 尖閣諸島、中国漁船衝突事件
・嫌中化の契機
・9月24日、中国人船長を処分保留で釈放
・11月4日、漁船衝突時の映像流出
・2012年9月10日、尖閣諸島国有化を閣議決定(翌11日購入)
(信濃注、以上)
4.朱子学の浸透と中華文明の衰退
・中華思想と朱子学が「ミックス」された結果、様々な弊害が生まれた
…体を動かしたり実際に働く人は「身分が下」と思われるため、技術者が育たない
…日韓のスポーツの実力差は、遺伝的なものではなく、「体を動かす人間は格下」という文化的なものから来るのではないか(鍛えたら普通に強いのだから)
・朱子学が思想として浸透した時期と、中華文明が没落してゆく時期はほぼ重なる
(浸透が先か、没落が先かは分からない)
・中国・朝鮮に日本と全く違う社会が出来上がった、その要因
…周囲が敵だらけという大陸国家の宿命
…朱子学がねじ曲がった思想の蔓延
・日本と全く違う社会とは
…「ボスと奴隷と、あとは敵」という人間関係
…弱い相手には「脅し」、強い相手には「友達のふり」と「泣き落とし」という単純な交渉術
・中華文明、中国・朝鮮の人間関係を見ていると、「友人」「同好の士」といった水平の人間関係は希薄
…我々の社会には、「対等な友人」のように優劣をつける必要がない関係がある
…しかし、どうも中国や朝鮮半島では、優劣や敵味方をはっきりさせないと居心地が悪いようだ
・中華文明、中国・朝鮮の中では、「謙虚さ」と「弱さ」の区別がつかない
・中華文明、中国・朝鮮の中には、「公正・公平」という概念がない
・中華文明、中国・朝鮮には、公共心が育たない
…権力闘争で勝つ以外に幸せになる方法がなく、勝ったからといって幸せだとは思えない
…私欲を捨てた瞬間に蹴落とされるため、公共心が育たない
・中華文明、中国・朝鮮には、究極のところ愛国心というものはなく、みんなが国を捨てて逃げ出したいと考えている
・中華文明、中国・朝鮮にとっては、味方以外はすべて憎むべき敵
…弱い敵に対しては、奴隷と同じ扱いで済ませる
…強い相手には敬意を払うが、無抵抗の者や女子供老人に対しては容赦ない
・中華文明、中国・朝鮮が頭を使い悩むのは、強い敵に対してのみ
…第一は友達のふり、「我々は友達です。 だからお互いのため(ホントは俺のため)援助してください」
…第二は泣き落とし、 「我々は途上国で、かわいそうな被害者なんですよ。だから援助してください」
…「友達のふり」では、あらゆる国が裏切られている(代表例はインド、日本、アメリカ)
・中華文明、中国・朝鮮には、契約や条約にも意味がない
…中華文明では力の強い者がルールを決めるのであり、作ったそばから自分で破ってもOK
・こんなマインドでは法治国家にはなれない
・社会に公平性が無く約束が守られないのなら、先進国になれるわけがない
5.中華文明との付き合い方のヒント
・戦後の日本人は、友好のためになればと考えて中国・朝鮮を支援してきたが、彼らは感謝するどころか「貢ぎ物」感覚
…「日本人は我々(中国・朝鮮)の力を恐れ、徳に平伏し、心にやましいことがあるから「貢ぎ物」を差し出した」
…「我々(中国・朝鮮)にしてみたら、最初から決まっている上下関係を覆すことはできない」
・中国・朝鮮にしてみたら、格下のくせに序列を乱す日本人こそ狂っている
…日本人にしてみたら、彼らは頭がおかしい、と感じるかもしれない
…「俺様の徳に平伏しているくせに、『領土をよこせ』と言えば逆らいやがる」日本に対して、怒り、混乱している
・1000年近く続いた朱子学の頚木(くびき)は、簡単に外れるものではない
(信濃注:頚木、くびき、自由を束縛するもの、-を逃れる)
…そこに、中国・朝鮮の科学技術が発達せず、いいところまで行っても内ゲバで自滅し、先進国になりきれない根本的な理由がある
…もし中国・朝鮮に「対等な友人」という概念があるのなら、彼らの交渉はもっと違ったものになるだろう、国際交渉・役割分担・利益配分がスムーズに運び、もっと発展するに違いない
・それに米ソ冷戦の遺産が重なって、現在の東アジア諸国の奇妙な関係を作り出している
以下、元記事
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米中冷戦における日本(3):中華文明が進歩しない理由
「ワイルドインベスターズ ブログ 「それを教えちゃマズイだろ!」」様
2012年8月27日記事「米中冷戦における日本(3):中華文明が進歩しない理由」
http://wildinvestors.cocolog-nifty.com/blog/2012/08/3-5770.html
地理や自然に恵まれた日本に対し、他の東アジア諸国は厳しい条件にさらされています。
特に中国北部は比較的平坦な地形で、外敵を防ぐものは何もありません。油断していると「馬に乗ったモンゴル人」や「戦車に乗ったロシア人」に襲われるので、危なくてしょうがありません。そんな環境で育つと、自分の家を守るためにできるだけ庭を広げようとします。つまり他国を侵略して、安全圏を広げたがるのです。
広い領土で多くの民族を支配するには、どうしても「圧政」になりがちです。政府に対する不満は収まりません。不満を外に向けるために外に敵を作る。引っ込みがつかなくなって本当に侵略する。殺るか殺られるかの戦いを続けるうちに、最後は自分の力を超えたレベルにまで国境を広げてしまいます。最後は分裂して血みどろの殺し合い。それが大陸国家の宿命です。
中国は昔から北方騎馬民族やチベット高原などの異民族の侵略と戦ってきました。しかしたとえ異民族に占領されても、長い時間をかけて彼らを融合し、文化的に呑み込んできました。民族がほとんど入れ替わっても支那(シナ)は支那であり、その意味では非常に懐の深い地域と言えるでしょう。
最も古く農耕が始まった地域のひとつである中国大陸は、長い間世界の最先端を走っていました。その中で「中国は世界の中心である。周辺国はそれに従うべし」と考える中華思想が生まれたことは、それほどおかしなことではありませんでした。日本が文字や社会制度を学んだことからもわかるように、文明の歴史と厚みにおいて周辺国とは圧倒的な格差がありました。
しかし南宋で朱子学が生まれたあたりから、ちょっと様子がおかしくなってきます。南宋は国力が弱く、世界の中心のはずである中華がなぜこれほど惨めなのかという疑問に答えつつ、社会秩序を維持しなくてはなりませんでした。
朱子学は「この世に秩序を与える『理』というものがあり、修練によってそれを把握することで社会秩序を維持することが出来る」という理論で個人と社会を関連付けました。この思想体系は「親と子」「君主と家臣」などの関係を絶対的なものとし、支配者にとって都合の良いものでした。 明の時代には科挙に唯一必要な国家教学となって浸透しました。それは朝鮮に入って仏教に取って代わり、琉球や日本にも入って大きな影響を与えました。
朱子学は強い愛国心や権威に対する忠誠心を生み社会を安定させましたが、副作用として排他的で他民族を見下す傾向を強めました。他の優れた文明や人物を見ても「道徳的には自分のほうが上」で済ませてしまうので、反省して進歩することがないのです。
「私には徳がある。なぜなら偉いからだ。偉いのだからすべて私の言うことに従いなさい。逆らってはいけません」というようなロジック(?)なので、話をしても埒があきません。何か悪いことがあれば、外国人や「目下の者」の責任となります。上の者は責任を問われることはなく、何度も同じ間違いを繰り返します。
そもそも下のものが上のものに質問したり、意見を言うなどあってはならないことです。 大惨事が起こっても、上に立つ人間は解決する気はありません。 「おまえが悪い。俺は正しい」 と繰り返すばかりです。
ですから彼らは情報公開・ディスカッション・法律や条約による解決といったものを非常にイヤがります。彼らは自分の「意見」を繰り返すだけで、相手の言い分や証拠と比べて確かめようとはしません。「なぜ徳の高い自分が、道徳的に下であるお前の評価を受けなくてはならないのか?」最初からそんな気持ちなので、話し合いが通じないのです。
その傾向は朝鮮半島で純化され、極端に強いです。「小中華思想」と呼ばれています。本家である支那大陸もたいがい厄介ですが、それでもまだ話し合い余地があったりします。
日本も朱子学の影響を大きく受けましたが、もとから辺境だったので「オレ様度」が低く副作用が少なかったのかもしれません。しかしそれでも時代や集団によってはかなり近い人たちが居ます。密約が好きだったり、ビデオを隠しちゃったりするような人々です。日本人も多かれ少なかれ、朱子学の副作用から無縁ではいられないと思います。
中華思想と朱子学がミックスされた結果、様々な弊害が生まれました。
たとえば体を動かしたり実際に働く人は「身分が下」と思われるため、技術者が育ちません。国策で鍛えられ保護された産業はそれなりに大きいですが、技術は基本パクリで自前のブランドが育ちません。
スポーツにおいても同じです。国策で鍛えられたスポーツエリートは良い成績を取りますが、西洋や日本のように国民が草の根でスポーツを楽しむ文化はありません。そもそも授業に体育がないとか、学校にプールがないといったありさまです。
また聞いた話では韓国の陸上記録は日本のジュニアレベルだそうです。鍛えたら普通に強いのですから、その差は遺伝的なものではなく「体を動かす人間は格下」という文化的なものから来るのではないかと考えます。
さて中華文明が衰退したから朱子学が重宝されたのか、朱子学が流行したから中華文明が衰退したのか、その因果はわかりません。朱子学がなくても航海技術の発達などで中華文明の衰退は不可避だったのかもしれません。しかし朱子学が思想として浸透した時期と、中華文明が没落してゆく時期はほぼ重なっています。
周囲が敵だらけという大陸国家の宿命。そして朱子学が捻じ曲がって 「俺ってばいつでも絶対的に正しいもんね~。たとえ相手が強くて金持ちでみんなに尊敬されていても、道徳的には俺のほうが上。それは変えられない宇宙の真理」という思想が蔓延した結果、日本とは全く違った社会が出来上がりました。
それは
「ボスと奴隷と、あとは敵」
という人間関係、そして
弱い相手には「脅し」。強い相手には「友達のふり」と「泣き落とし」
という単純な交渉術です。
彼らの人間関係を見ていると、どうやら「友人」「同好の士」といった水平の人間関係は希薄なようです。初対面でも学歴や肩書きで序列をつけたがります。すると自分サイドにいる人間には、絶対服従すべきボスと、どんな無理を押し付けても平気な奴隷がいるということになります。日本人のようにニコニコ笑って自慢しない人間は、すぐに奴隷だと思われます。彼らの中では「謙虚さ」と「弱さ」の区別がつかないのです。
だからムチャクチャな要求をしてきて、断られると「格下に恥をかかされた」と感じて烈火のごとく起こります。奴隷にどれぐらいひどい事ができるかというのも、強さの証明です。
さて、味方以外はすべて憎むべき敵です。「中国人がもっとも信用していないのは、中国人」という言葉もあるように、彼らは同族同士で信用していません。
弱い敵に対しては、奴隷と同じ扱いで済みます。チベット・ウイグル・内モンゴルその他少数民族のように、どんだけ殺してもお構いナシです。最近は力をつけてきたので、南沙・西沙・尖閣など周辺国の領土を切り取りにかかっています。
彼らは強い相手には敬意を払いますが、無抵抗の者や女子供老人に対しては容赦ありません。今の中華文明に対して平和反戦主義など自殺行為で、「皆殺しにしてくれ」と頼んでいるようなものです。
彼らが頭を悩ますのは、強い敵に対してです。本当は自分のほうが道徳的に上なんだけど、こいつに逆らったら殺されそうだよなーと感じたとき、ちょっとだけ頭を使います。
第一は「我々は友達です。 だからお互いのため(ホントは俺のため)援助してください」という友達のふり。
第二は 「我々は途上国で、かわいそうな被害者なんですよ。だから援助してください」という 泣き落としです。
「友達のふり」では、あらゆる国が裏切られています。
1954年にはインドのネルー首相と周恩来が会談し平和五原則を発表しました。インドを油断させておいて軍備を整え、キューバ危機のどさくさをついて中印国境紛争で領土を奪い取りました (1962)。インドはこの反省を生かし、核開発を始めました。
日本も国交正常化以来、「友達のふり」と「泣き落とし」でさんざん援助しました。しかし返ってきたのは反日教育や他国への悪質なプロパガンダだけでした。いまや彼らは力関係が逆転したと確信し、日本に対しては恫喝以外の交渉術を使いません。
アメリカは冷戦時代にソ連と対抗する上で、中国を自由主義陣営に引き込みました。その後は中国本土からアメリカへの留学生や移民が増えましたが、何度もスパイ事件を起こして捕まっています。中国としては日本を悪者に仕立て上げてアメリカの目くらましをし、その間に日本からオーストラリアまで自分のものにする魂胆です。
我々の社会には「対等な友人」のように優劣をつける必要がない関係があります。「趣味だけのつき合い」「関わりないけど無害な人」など、敵でも味方でもない人がいます。
しかしどうも中国や朝鮮半島では、優劣や敵味方をはっきりさせないと居心地悪いようなのです。担当者が変わるたび、あるいは会うたびにその「序列確認の儀式」は行われます。「上の言うことが絶対」であれば、その序列がコミュニケーションの方法や解決策を決定付けると言って過言ではないでしょう。
彼らの中には「公正・公平」という概念がないようです。
身内とよそ者が争った場合、嘘をついてでも身内の味方をしなければならい。そうしないと「情のない」「頼りにならない」「もはや敵」と見なされて、評価が下がるようなのです。スポーツの審判から裁判官、事務総長まで徹底した身内びいき。権力を握れば身内を昇進させ、それ以外は能力があっても冷遇します。そして力が逆転すれば同じことをやり返される。
権力から落ちたらすぐ粛清。「良い仕事をする」「技術を身につける」「敵ながら天晴れと唸らせる」ことに何のメリットもありません。権力闘争で勝つ以外に幸せになる方法がなく、勝ったからといって幸せだとは思えません。どの国でも多少そんなところはありますが、中華文明は極端です。
だから公共心が育ちません。
放っておくと内輪揉めばかりしてしまうので独裁政治でむりやり抑え込み、外国を敵に仕立てて憎ませます。しかし私欲を捨てた瞬間に蹴落とされるため、公共心が育ちません。犯罪は減らず、街は殺伐として汚いままです。交通マナーすら守られません。
究極のところ愛国心というものはなく、みんなが国を捨てて逃げ出したいと考えています。だから国外へ脱出する人々が後を絶ちません。対外的には強いように見えても、いつ崩れ去るかわからない脆さがあるのです。
また、契約や条約にも意味がありません。
中華文明では力の強い者がルールを決めるのであり、作ったそばから自分で破ってもOKです。約束は格下の者に守らせるものであり、自分が守るものではないという考えです。
条約を紙に書いて調印したって同じことです。おそらく約束という概念が我々と違うので、破ったことに対する罪悪感は全くないと思います。彼らと約束をして何度も騙される人は、相手のことをもっと良く知ったほうが良いでしょう。
こんなマインドでは法治国家にはなれません。社会に公平性が無く約束が守られないのなら、先進国になれるわけがないのです。
これを知らずに日本人が普通の態度で彼らに接した場合、彼らの中では「劣位」にランクされます。「公平さ」も「約束を守る」も弱者の卑屈な態度と思われるからです。
韓国や北朝鮮の場合は「日本は中華から遠く、しかも島国だから超格下」と自動的にランクされています。日本に対する悪口のひとつに「島国日本!」というものがありますが、島国でラッキーだったと思っている我々にはわからない感覚です。
戦後の日本人は、友好のためになればと考えて彼らを支援してきました。
彼らは感謝しているでしょうか?
いいえ。
日本から資金や技術を得たのはもともと優れた自分の徳のおかげです。日本人は我々の力を恐れ、徳に平伏し、心に疚しいことがあるから貢ぎ物を差し出したのです。感謝する理由は何もありません。そもそも格下の日本が我々に「支援」だなんて、思い上がりもはなはだしい。あれは「貢ぎ物」です。それなのになぜ、恩着せがましく感謝を求めるのか。
日本人はもう「貢ぎ物」をやめると言っています。許されるでしょうか?
いいえ。
最初から決まっている上下関係を覆すことはできません。前の指導者が日本人に土下座させて5兆円払わせたなら、私はそれを足で踏みつけ唾を吐きかけて10兆円払わせます。そうすることで私の偉大さが示され、世界の秩序が保たれるからです。
頭がおかしい、と感じるかもしれません。しかし彼らにしてみたら、格下のくせに序列を乱す日本人こそ狂っているのです。
日本はこれまで彼らに資金も技術も与え、日本企業を潰す勢いで支援してきました。彼らは「やはり日本人は格下の奴隷だ」と確信したと思います。しかし「俺様の徳に平伏しているくせに、『領土をよこせ』と言えば逆らいやがる」日本に対して怒り、混乱しているのです。
もし中国・韓国・北朝鮮に「対等な友人」という概念があるなら、彼らの交渉はもっと違ったものになるでしょう。国際交渉・役割分担・利益配分がスムーズに運びもっと発展するに違いありません。
しかし1000年近く続いた朱子学の頚木は、簡単に外れるものではありません。彼らの科学技術が発達せず、いいところまで行っても内ゲバで自滅し、先進国になりきれない根本的な理由があるのです。それに米ソ冷戦の遺産が重なって、現在の東アジア諸国の奇妙な関係を作り出しています。
(続く)
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「ワイルドインベスターズ ブログ 「それを教えちゃマズイだろ!」」様
2012年8月23日記事「米中冷戦における日本(1):序論」
http://wildinvestors.cocolog-nifty.com/blog/2012/08/post-1108.html
2012年8月24日記事「米中冷戦における日本(2):地政学的に恵まれた日本」
http://wildinvestors.cocolog-nifty.com/blog/2012/08/2-9dbe.html
2012年8月27日記事「米中冷戦における日本(3):中華文明が進歩しない理由」
http://wildinvestors.cocolog-nifty.com/blog/2012/08/3-5770.html
2012年8月29日記事「米中冷戦における日本(4):朝鮮半島の思考回路」
http://wildinvestors.cocolog-nifty.com/blog/2012/08/4-49ee.html
2012年8月31日記事「米中冷戦における日本(5):軍部利権としての朝鮮併合」
http://wildinvestors.cocolog-nifty.com/blog/2012/08/5.html
2012年9月3日記事「米中冷戦における日本(6):日本が韓国に甘い理由」
http://wildinvestors.cocolog-nifty.com/blog/2012/09/6-ca1c.html
2012年9月4日記事「米中冷戦における日本(7):日韓、米日、沖縄の相似形」
http://wildinvestors.cocolog-nifty.com/blog/2012/09/7-db2e.html
2012年9月11日記事「米中冷戦における日本(8):「戦利品」としての日本の価値」
http://wildinvestors.cocolog-nifty.com/blog/2012/09/8-1210.html
2012年9月17日記事「米中冷戦における日本(9終):中韓朝との冷戦か、米英とのリアル戦争か」
http://wildinvestors.cocolog-nifty.com/blog/2012/09/9-3553.html
ブログ主様のプロフィール(公開情報、2015.11.14時点)
逆張り投資家
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「日本を投資大国にする!」ために情報発信しているプロ投資家です。
自己紹介文
「投資や国際情勢に関するディープな話題を中心に、人生に役立つ与太話を提供します。
ごく片手間ですので、忙しさに応じて更新回数が変わります。基本的に引きこもりのオタクですから、コメントに対する返事はあまり期待しないでください(笑)。」
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※2015.12.25、「要約」を要約集に移動
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