日米台、中国は既にシナリオを練っている様子
韓国はいつも通り、どうっしようもない…
しかし、蔡氏の政治力はまだ未知数
現在は、各国とリハーサル開始といったところ
今後、日台関係、中台関係にどのような変化が訪れるか…
日本にとって台湾は大切な友人
(個人的には集団的自衛権で守ってやってもいいと思っているけれど)
要注目です
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目次
1.台湾総統選の結果
2.中台関係
2-1.中台関係 その1、台湾は考え中
2-2.中台関係 その2、中国は威圧、威嚇
3.台韓関係、韓国はスルー(中国様にご配慮)
4.日台関係、日本はおいでおいで
5.米台関係、米国は歓迎シマース
6.添付資料
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1.台湾総統選の結果
・民進党・蔡英文氏が大差をつけて圧勝
…民進党の蔡英文氏(59)が689万票余り、国民党の朱立倫氏(54)が381万票余り
(日本時間、16日午後11時半現在)
・民進党は8年ぶりに政権奪還
・台湾で初めて女性の総統が誕生
・民進党は総統と立法院の過半数を同時に確保し、初めての「完全執政」となる
…同日選となった立法院(定数113)の議席は、民進党68、中国国民党35、時代力量(時代の力)5、親民党3、その他2
※台湾総統選
・台湾の元首にあたる総統を副総統とペアで選ぶ選挙
・1996年から直接投票で選ばれている
・任期は4年、3選は不可
・次期総統は、台湾が正式な「国号」とする「中華民国」の初代総統・蒋介石から数えて14代目、民選総統としては4人目
・次期総統の就任は5月20日だが、前回から選挙時期を前倒しし、立法委員(国会議員に相当)選と同日選になった
2.中台関係
2-1.中台関係 その1、台湾は考え中
・蔡英文氏
…「中華民国の現行憲政体制」を就任後の施政方針に掲げる慎重姿勢(海外メディアとの会見で)
…蔡氏は過去に、中台が「特殊な国と国との関係」だという李登輝氏の「二国論」の起草に深く関与
・台湾世論
…自らを「台湾人」と認識する人が大勢を占める一方、世論の6割が中台関係の「現状維持」を求める
…だが、若年層で強まる「台湾人意識」は反中ナショナリズムと表裏一体
・ちなみに、中台首脳会談(2015.11.7実施、1949年の分断後初)では…
(拓殖大学学事顧問・渡辺利夫氏の見解)
…現総統・馬英九氏(国民党)は「92年コンセンサス(合意)」をもって首脳会談に臨んだ
…習近平も合意が存在するとして首脳会談に臨んだ
…総統選で民進党大勝が予想されていた昨年11月時点での首脳会談(陰の主役は蔡英文氏)
※92年合意
・「一つの中国」原則をめぐり、中台当局が92年、窓口機関の協議を経て達したとされる共通認識
・中台双方が「一つの中国」を求めるものの、その内容については台湾側が「中華民国」を、中国側が「中華人民共和国」を意味するという内容のものだと言われる
・合意文書なし
・当時の総統・李登輝氏や、台湾側代表として92年会談での交渉に当たった辜振甫(こ・しんぽ)氏もその存在を認めていない
・民進党もその存在を否定
・国民党が野党時代から、中国共産党との関係を再構築する上で活用
・馬英九政権は「中国」が「中華人民共和国」か「中華民国」かは中台が各自で解釈するとしているが、中国は認めていない
・拓殖大学学事顧問・渡辺利夫氏
…膨張する中国のいよいよ強まる風圧のもとで「小国寡民」の台湾が、自らの生存空間を確保し、中国を牽制(けんせい)し、さらに国際社会からの支持を取り付けるには住民の「民意」にもとづく民主主義ほど強力なものはない。
…蔡氏は習氏から、中台首脳会談開催の根拠たる92年合意の承認をいずれ迫られる可能性がある。
…蔡氏には「民進党を支持する強靱(きょうじん)な民意が存在する、民意こそが最終的な決定者だ」と主張できる民主主義の論理がある。
…しかし、「台独綱領」などを表面化させていざこざの種を蒔(ま)く稚拙な政治家ではもちろんない。住民の広範な支持を取り付けた蔡氏は中国にとって手強い存在となろう。
2-2.中台関係 その2、中国は威圧、威嚇
・中国が最も警戒するのは、中国と台湾を「別の国」とする二国論
・中国が「一つの中国」を掲げ、中台統一にこだわる理由
…「太平洋に面する台湾の地政学的な価値に加え、習近平国家主席が描く『中国の夢』を実現する国家戦略が根底にある」(日中関係筋)
…大陸から海洋をみる地政学の視点では、台湾は太平洋への入り口にあって、海軍艦艇の運用に適した港湾に恵まれる
…それ以上に、習近平が掲げる「中国の夢」は、「中華民族の偉大な復興」として、あるべき領土の再統一を意味する
…習近平の狙いは、20世紀に香港やマカオの返還を「一国二制度」で達成した鄧小平に続き、「台湾統一」を21世紀に成し遂げること
・中国国務院・台湾事務弁公室(対台湾政策担当)
…「あらゆる形の独立活動に反対する」
…改めて「一つの中国」の考えを受け入れるよう迫る
…台湾事務弁公室はかねて、「現在の交流の基礎である『92年コンセンサス』さえ認めれば(誰とでも)喜んで交流する」とサインを出している
・中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報
…「中国がその気になればいつでも断交させ、台湾への懲罰として奪い取る」(台湾を外交承認する国々に触れて)
・軍事分野では台湾を威圧する材料に事欠かない
…台湾の対岸に配置された1千発以上の弾道ミサイル
…国産空母の建造
…昨年には、台湾の総統府強襲を想定した中国軍の演習情報まで公然と伝えられる
・反国家分裂法
…2005年に中国が施行
…同法8条は、「平和統一の可能性が完全に失われたとき、国は非平和的方式その他必要な措置を講じ、国家の主権と領土保全を守ることができる」と武力行使を合法化している
3.台韓関係、韓国はスルー(中国様にご配慮)
・朴槿恵が祝賀メッセージを出したとの発表はない(2016年1月18日現在)
…韓国は1992年の中国との国交樹立(台湾との断交)後、台湾の総統選当選者に祝電を送った前例はないが、蔡氏の場合、朴氏との関係を考慮し、祝電を送ることも韓国政府内で一度は検討されたという。
・祝電を送ってもおかしくない関係だが、朴氏は沈黙を保っている。
…2人はアジアの女性指導者同士であるばかりでなく、朴氏の自叙伝が台湾で出版された際に推薦文を書いたのが蔡氏だった。
・信濃注
…外交儀礼として送ってやれよ、送ったって損はないだろう。いや、あるか…中国様が…
・対中配慮との見方も少なくない
…北朝鮮の核実験以降、中韓関係にすきま風が吹く中、韓国としては中国とこれ以上、摩擦を起こしたくないのが本音
・信濃注
…米国にかまって欲しいなら台湾に祝意を示さないといけないのでは?
…黙っているということは、中国様優先で米国様後回しという意思表示になるのでは?
…台湾に祝意を示したところで、日米の韓国切捨ては既定路線だが…
4.日台関係、日本はおいでおいで
・安倍晋三首相
…「台湾は日本の古くからの友人だ。自由な言論のうえに、選挙でリーダーを決める総統選挙は台湾の自由と民主主義の証と考える。蔡英文氏の勝利に対し、心から祝意を表明したい」
…「今後、日本と台湾の協力、人的交流がさらに進んでいくことを期待する」
・菅義偉官房長官
…「基本的価値観を共有し、緊密な経済関係と人的往来を有する重要なパートナー、大切な友人だ」
…「日台間の交流のさらなる進化を図っていきたい」と連携強化に意欲
…蔡氏が日米が主導する環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への参加に意欲を示していることに対しては、「台湾がTPPに参加すれば地域の安定と繁栄に大きく寄与する。今後、台湾と有意義な議論をしていきたい」と歓迎し、台湾加盟に向け支援する考えを示す
信濃注
・あきらかに韓国よりも格上の対応
・ちなみに、韓国とは基本的価値観さえ共有できない
・日本の二国間関係(外務省の現状認識)、韓国
…大韓民国(Republic of Korea) 基礎データ、外務省、平成27年9月18日
…【政界徒然草】韓国とは「基本的価値」は共有できない! 安倍首相の三行半に韓国・朴政権は焦っているようだが… 産経ニュース、
…外務省ホームページ「韓国との基本的価値共有」を削除、産経ニュース、2015.3.4 18:54更新
(以上)
・拓殖大学学事顧問・渡辺利夫氏
…歴史的にも地政学的にみても、日台は運命共同体
…台湾は、日本のシーレーンにおいて波高い東シナ海の南、南シナ海の北を扼(やく)する決定的に重要な戦略的位置
…中国とは異なり台湾は台湾以外に主権を要求する存在ではない
…台湾では世代交代が進み「台湾人アイデンティティー」は強まりこそすれ弱まる気配はない
…台湾はいずれの国に比べても親日的
…日台新時代を拓く好機到来なのであろう
5.米台関係、米国は歓迎シマース
・バーンズ前国務副長官
…蔡英文主席と会談し、総統選での当選に祝意を伝える
・オバマ政権
…昨年12月、ミサイルフリゲート艦2隻を含む台湾への武器売却を議会に通知
・台湾関係法
…1979年4月 米、台湾関係法制定
…自由主義陣営の一員として台湾防衛
…ちなみに、米華相互防衛条約(米台)は1954年12月2日調印、1979年12月16日失効
6.添付資料
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添付資料一覧
【安倍首相施政方針演説】「韓国と戦略的利益」 「基本的価値」は復活せず
【台湾新時代-蔡英文の挑戦・下】いらだつ中国「島民に何ができる」…「統一」の功績狙う習近平主席 産経ニュース、
【正論】民意の強靱性を証した台湾・総統選 「大国」を牽制し国際社会の支持得る最大の力 拓殖大学学事顧問・渡辺利夫
【台湾・総統選】総辞職に馬総統「認めない」 米のバーンズ氏は蔡氏に祝意
産経ニュース、
【台湾・総統選】朴槿恵大統領、台湾初の女性リーダーに祝意示さず 対中配慮? 自叙伝に推薦文の仲なのに… 産経ニュース、
【台湾・総統選】菅官房長官、勝利の蔡英文氏に祝意 「重要なパートナーで大切な友人」 台湾のTPP参加支援の考え 産経ニュース、
【参院予算委】安倍首相、蔡英文氏の台湾総統選勝利に祝意 「台湾は日本の古くからの友人。総統選は自由と民主主義の証だ」 産経ニュース、
産経ニュース、
【台湾・総統選】台湾と国交持つ国を「いつでも奪い取れる」 中国紙社説、蔡氏当選を牽制 「民衆が独立支持したわけではない」
台湾 総統選で蔡氏が圧勝 議会選も民進党が勝利か
NHKニュースWEB、1月17日 0時05分
以下、添付資料
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【安倍首相施政方針演説】「韓国と戦略的利益」 「基本的価値」は復活せず
信濃注:
施政方針演説は2016年1月22日実施
こちらも参照、日本の二国間関係(外務省の現状認識)、韓国
・大韓民国(Republic of Korea) 基礎データ、外務省、平成27年9月18日
・【政界徒然草】韓国とは「基本的価値」は共有できない! 安倍首相の三行半に韓国・朴政権は焦っているようだが… 産経ニュース、
・外務省ホームページ「韓国との基本的価値共有」を削除、産経ニュース、2015.3.4 18:54更新
(以上)
【台湾新時代-蔡英文の挑戦・下】いらだつ中国「島民に何ができる」…「統一」の功績狙う習近平主席 産経ニュース、
「島民にいったい何ができるというのだ」。台湾の野党、民主進歩党(民進党)の蔡英文主席が総統選挙に勝利した16日、上海の台湾研究者はあえて台湾の人々を「島民」と呼んで、独立色の強い民進党政権を選んだ「民意の決断」にいらだちをぶつけた。
すでに織り込み済みだった「蔡総統」誕生だが、対台湾政策を担当する中国国務院(政府)台湾事務弁公室も、「あらゆる形の独立活動に反対する」との談話を発表。改めて「一つの中国」の考えを受け入れるよう民進党に迫った。
有権者が自由投票で最高指導者を選出するシステムは、中国本土に存在しない。民主的な選挙結果を受け入れられない中国は、「原則」に沿った高圧姿勢をまず示そうとする。
馬英九政権の8年間に台湾経済の対中依存が高まり、中国は政治、経済の分野で力を強めた。「他の国でチャイナフリー(脱中国)は可能でも台湾だけは不可能だ」(中国の研究者)といった、台湾を中国の主導する「統一」の枠に押しとどめる意識が中国国内では根強い。
公式メディアの反応も、こうした統一観に彩られている。国営新華社通信は、「台湾政局の変化は両岸(中台)関係の歴史で瞬く間に消えるものにすぎない」と論評。中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報は、台湾を外交承認する国々に触れて、「中国がその気になればいつでも断交させ、台湾への懲罰として奪い取る」と息巻いた。
さらに、軍事分野では、台湾の対岸に配置された1千発以上の弾道ミサイルや、国産空母の建造など、台湾を威圧する材料に事欠かないのが現実だ。昨年には、台湾の総統府強襲を想定した中国軍の演習情報まで公然と伝えられた。
冒頭の研究者は、「(2005年に中国が施行した)反国家分裂法を台湾は忘れたのか」と続けた。同法8条は、「平和統一の可能性が完全に失われたとき、国は非平和的方式その他必要な措置を講じ、国家の主権と領土保全を守ることができる」と、武力による実力行使を合法化している。
中国が「一つの中国」を掲げ、中台統一にこだわる理由として、日中関係筋は「太平洋に面する台湾の地政学的な価値に加え、習近平国家主席が描く『中国の夢』を実現する国家戦略が根底にある」とみる。
大陸から海洋をみる地政学の視点では、台湾は太平洋への入り口にあって、海軍艦艇の運用に適した港湾に恵まれる。それ以上に、習氏が掲げる「中国の夢」は、「中華民族の偉大な復興」として、あるべき領土の再統一を意味する。
20世紀に香港やマカオの返還を「一国二制度」で達成した●(=登におおざと)小平に続き、「台湾統一」を21世紀に成し遂げるのが習氏の狙いだ。
国務院台湾事務弁公室はかねて、「現在の交流の基礎である『92年コンセンサス』さえ認めれば(誰とでも)喜んで交流する」とサインを出している。
交渉の「底線(ボトムライン)」については、額面通りのコンセンサス受け入れのほか、台湾が「中華民国の憲政体制を順守する」と表明することも、中国は「許容範囲だ」とする観測がある。中国が最も警戒するのは、中国と台湾を「別の国」とする二国論だ。
台北での海外メディアとの会見で、蔡氏は「中華民国の現行憲政体制」を5月20日の就任後の施政方針に掲げる慎重な姿勢を示した。最終的な目標を統一実現におきつつ、中国も高圧姿勢の一方で、水面下での対話を模索する硬軟織り交ぜた戦略を繰り広げることになりそうだ。
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この連載は、台北 田中靖人、西見由章、上海 河崎真澄が担当しました。
【正論】民意の強靱性を証した台湾・総統選 「大国」を牽制し国際社会の支持得る最大の力 拓殖大学学事顧問・渡辺利夫
(前略) 膨張する中国のいよいよ強まる風圧のもとで「小国寡民」の台湾が、自らの生存空間を確保し、中国を牽制(けんせい)し、さらに国際社会からの支持を取り付けるには住民の「民意」にもとづく民主主義ほど強力なものはない。 (中略)
馬氏は「92年コンセンサス(合意)」をもって中台首脳会談に臨んだのだが、民進党はそのような合意は存在しないという立場である。92年合意とは、双方が「一つの中国」を求めるものの、その内容については台湾側が「中華民国」を、中国側が「中華人民共和国」を意味するという内容のものだといわれる。合意文書もなく当時の総統・李登輝氏や、台湾側代表として92年会談での交渉に当たった辜振甫(こ・しんぽ)氏もその存在を認めていない。習氏は合意が存在するとして首脳会談に臨んだ。
総統選で民進党大勝が予想されていた昨年11月時点での首脳会談である。交渉の陰の主役はまぎれもなく蔡氏であった。 (中略)
蔡氏は習氏から中台首脳会談開催の根拠たる92年合意の承認をいずれ迫られる可能性がある。しかし、蔡氏には「民進党を支持する強靱(きょうじん)な民意が存在する、民意こそが最終的な決定者だ」と主張できる民主主義の論理がある。蔡氏はタフな政治家であり、中台は「特殊な国と国との関係」だという李登輝氏の「二国論」の起草に深く関与した人物でもある。しかし「台独綱領」などを表面化させていざこざの種を蒔(ま)く稚拙な政治家ではもちろんない。住民の広範な支持を取り付けた蔡氏は中国にとって手ごわい存在となろう。
≪日台新時代を拓く好機到来≫
中国との絶妙な間合いを取りつつ、日米との連携強化を求める動きを蔡氏は既に始めている。オバマ政権は昨年12月、ミサイルフリゲート艦2隻を含む総額18億3千万ドル相当の台湾への武器売却を議会に通知した。台湾は日本のシーレーンにおいて波高い東シナ海の南、南シナ海の北を扼(やく)する決定的に重要な戦略的位置にある。中国とは異なり台湾は台湾以外に主権を要求する存在ではない。
台湾では世代交代が進み「台湾人アイデンティティー」は強まりこそすれ弱まる気配はない。それに台湾はいずれの国に比べても親日的である。
安保関連法案の可決も成った。台湾に対する日本の政治・外交的視線がこれまでのように冷たいものであっていいはずがない。安倍晋三首相もまたタフな外交を展開する希有(けう)な政治家である。歴史的にも地政学的にみても日台は運命共同体である。日台新時代を拓(ひら)く好機到来なのであろう。(わたなべ としお)
【ソウル=藤本欣也】韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領が、台湾の次期総統に選ばれた民主進歩党の蔡英文主席への対応に苦慮しているようだ。18日現在、祝賀メッセージを出したとの発表はない。2人はアジアの女性指導者同士であるばかりでなく、朴氏の自叙伝が台湾で出版された際に推薦文を書いたのが蔡氏だった。祝電を送ってもおかしくない関係だが、朴氏は沈黙を保っている。
韓国紙、朝鮮日報によると、韓国は1992年の中国との国交樹立(台湾との断交)後、台湾の総統選当選者に祝電を送った前例はないが、蔡氏の場合、朴氏との関係を考慮し、祝電を送ることも韓国政府内で一度は検討されたという。
北朝鮮の核実験以降、中韓関係にすきま風が吹く中、韓国としては中国とこれ以上、摩擦を起こしたくないのが本音。対中配慮との見方も少なくない。
【台湾・総統選】菅官房長官、勝利の蔡英文氏に祝意 「重要なパートナーで大切な友人」 台湾のTPP参加支援の考え 産経ニュース、
菅義偉官房長官は18日午前の記者会見で、台湾総統選で中国と距離を置く民主進歩党の蔡英文主席が勝利したことに関し「祝意を表したい」と述べた。日台関係について「基本的価値観を共有し、緊密な経済関係と人的往来を有する重要なパートナー、大切な友人だ」と指摘。「日台間の交流のさらなる進化を図っていきたい」と連携強化に意欲を示した。
蔡氏が日米が主導する環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への参加に意欲を示していることに対しては、「台湾がTPPに参加すれば地域の安定と繁栄に大きく寄与する。今後、台湾と有意義な議論をしていきたい」と歓迎し、台湾加盟に向け支援する考えを示した。
一方、中台は不可分だとする「一つの中国」とめぐり、蔡氏と中国政府の主張が対立する点については「当事者間で直接対話により平和的に解決されることを期待していきたい」と述べた。
【参院予算委】安倍首相、蔡英文氏の台湾総統選勝利に祝意 「台湾は日本の古くからの友人。総統選は自由と民主主義の証だ」 産経ニュース、
(前略) 中央選挙委員会によると、16日の投開票の結果、立法院(定数113)の議席は民進党68、中国国民党35、時代力量(時代の力)5、親民党3、その他2となった。民進党は総統と立法院の過半数を同時に確保し、初めての「完全執政」となる。 (後略)
【台湾・総統選】台湾と国交持つ国を「いつでも奪い取れる」 中国紙社説、蔡氏当選を牽制 「民衆が独立支持したわけではない」
(前略) 自らを「台湾人」と認識する人が大勢を占める一方、世論の6割が中台関係の「現状維持」を求める台湾社会の中間層を意識した戦略だ。だが若年層で強まる「台湾人意識」は反中ナショナリズムと表裏一体でもある。 (中略)
民主主義を尊重する姿勢を示さない巨大な中国と向き合う蔡氏が目指すのが、日本や米国など「理念の近い民主国家」との連携強化だ。中国への経済依存度を下げるためにも、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への加盟や日本との自由貿易協定(FTA)締結が優先課題となる。蔡氏は内外の圧力にどう対処し、日米とどう連携していくのか。国際社会の視線は、5月の総統就任前から注がれている。
◇
■台湾の総統選 台湾の元首にあたる総統を副総統とペアで選ぶ選挙。1996年から台湾住民の直接投票で選ばれている。任期は4年で、3選はできない。次期総統は、台湾が正式な「国号」とする「中華民国」の初代総統、蒋介石から数えて14代目で、民選総統としては4人目。就任は5月20日だが、前回から選挙時期を前倒しし、立法委員(国会議員に相当)選と同日選になった。
■1992年コンセンサス(合意) 「一つの中国」原則をめぐり中台当局が92年、窓口機関の協議を経て達したとされる共通認識。文書はなく、当時総統だった李登輝氏や民進党は存在を否定。国民党が野党時代から、中国共産党との関係を再構築する上で活用した。馬英九政権は「中国」が「中華人民共和国」か「中華民国」かは中台が各自で解釈するとしているが、中国は認めていない。
NHKニュースWEB、1月17日 0時05分
民進党の蔡英文氏は、日本時間の16日午後9時半すぎに記者会見し、「きょう台湾人は投票によって歴史を作った。政権交代を成し遂げることができ、投票所に足を運んでくれたすべての台湾の人々に深い敬意を示したい」と述べ、勝利を宣言しました。これにより民進党の蔡英文氏が大差をつけて圧勝して、8年ぶりに政権を奪還し、台湾で初めて女性の総統が誕生することになりました。
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改訂履歴
※2016.1.24、解説追記(12:50)、「2-1.中台関係 その1、台湾は考え中」>>「・台湾世論」
※2016.2.28、リンク変更、変更前のリンクは以下
【研究ノート】 日本の二国間関係(外務省の現状認識)、韓国
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