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2016年1月28日木曜日
新聞広告から新聞社の経営状況が見える(朝日新聞2015.3の例) 余命ブログ以外の分析
新聞広告から新聞社の経営状況が垣間見えるそうです。
さすがに具体的な数字までは分からないようですが、右肩が上がってるか下がってるか、くらいは見当がつくようです。
解説文で例として挙がっているのは朝日新聞です。以下にその解説文を引用し、簡単なまとめを掲載します。参考になれば幸いです。
簡単まとめ
・新聞社の収益源
…読者の払う新聞購読料と広告収入
…最も大きな収益源は、本紙に印刷されている「本紙広告」
・本誌広告の代金は基本的に時価
…明確な定価が存在しない
…しかし、一応の目安は存在する
・本誌広告の時価目安の例: 朝日新聞
…全面(15段)で4000万前後(朝日新聞社側が提示している参考価格)
…価格は年間の出稿回数や曜日、何面に掲載するか、期日の指定があるのかなどにより、いかようにも変動
…要は需要と供給の市場原理で決まっている
…簡単に言えば、朝日新聞に広告を出したい広告主が多ければ高くなり、少なくなれば安くなる
…突然広告主が降りてしまったり、広告が集まらなくなった場合、これが「タダ同然」で販売されるケースも存在(いわゆる穴埋め広告)
・新聞の本誌広告は、新聞社の経営の健全性を測る一種の目安
…高い広告(期日の決まったカラー広告など)が多ければ、新聞社の経営がうまくいっていると見て良いのだろう
…安い広告(下記参照)であふれていたら、経営的には黄色信号と見て良いのだろう
…一番危険なのは、系列会社や自社イベントの広告や社会啓蒙などの公共広告
(広告主が集まらず、穴埋めのために仕方なく入れた広告の可能性が高い)
・期日の決まったカラー広告は基本的に高い
…例えば、何かのイベントに合わせた企業のイメージ広告や新発売に合わせた新商品の広告などがそれにあたる
…このような広告は単価が高いため、上場企業など有名企業でなければなかなか出せない
・安い広告
…1.健康食品などの通販広告
…2.旅行会社などの広告
…3.書籍などの出版物の広告
※穴埋め広告
…新聞社の営業はこのスペースを埋めるために必死に営業を行うが、どうしても埋まらない場合、先ほどの穴埋め広告で誤魔化すしかなくなる
…単純に考えれば、広告が集まらないならば記事を増やすことで対応すればよいのだが、政治部や社会部など部別にある程度枠が決まっており、これを変えるのは簡単ではない
…また、年間使用量に合わせて紙やインクを確保している為、紙面を減らすのも容易ではない
※朝日新聞で広告主がいなくなると穴埋め広告が増える理由(紙面を減らせない別の理由)
…朝日新聞は全国紙の他紙よりも高い
…競合する読売と毎日新聞が130円、産経新聞が110円に対して、朝日は150円
…他紙よりも高い以上、ある程度のボリュームがなければ今以上の割高感が出てしまう
・新聞に掲載出来る広告スペースは法律や規定で決まっている
…新聞は郵便料金が安くなる第三種郵便の承認を受けており、この規定により全紙面の50%までとなっている
…公職選挙法により、選挙報道を行うにはこの第三種郵便の承認を受けている必要があるため、事実上、紙面の50%に制限されている
…どこの新聞社も最大限の利益確保のため、このギリギリのラインを広告スペースにしている
…朝日新聞の場合なら、平均で40ページ程度なので20ページ分が広告スペースとして確保されている
・朝日新聞問題が起きた時、穴埋めと思われる子会社の広告が急増
…広告主が企業イメージ悪化を恐れ、広告出稿を取りやめたことに起因すると思われる
…信濃注:話の流れから、問題とは2014年8月5日の慰安婦記事撤回のことだと思われる
・子会社の広告にはもうひとつの問題が存在
…いくら子会社とはいえ、別法人である以上、広告費を払っているはずであり、これが朝日新聞の売り上げとして計上されているものと思われる
…これを悪用すれば、一種の売り上げの粉飾も可能
…100%の連結対象であれば、最終的に親会社子会社の間で利益と経費が相殺されるため、最終的には調整されるが、見た目の売り上げをよく見せることが出来る
・朝日新聞は大幅に業績悪化(朝日新聞決算書、2014年4月~2015年3月)
…新聞事業4033億2500万円(前年比-7.9%)
…セグメント利益(信濃注:新聞事業の利益)29億8300万円(前年比-54.7%)
…この数字は問題が発生する前の数字を含んだものであり、問題発生後だけで見ればもっと厳しかったと想像できる
…朝日新聞は新聞事業の売上の明細を公表していないため、具体的な実態をつかむことは出来ないが、この業績悪化の大部分が広告収入の減少によるものと思われる
信濃注:上記のセグメント利益は新聞事業の利益を指す
第2 【事業の状況】 >> 1 【業績等の概要】 >> (1) 業績
(中略) セグメントの業績は次の通りである。
①新聞出版の事業
当連結会計年度の「新聞出版の事業」に係る売上高は403,325百万円と前年同期と比べ34,646百万円(△7.9%)の減収、セグメント利益は2,983百万円と前年同期と比べ3,601百万円(△54.7%)の減益となった。
信濃注の出典:有価証券報告書-第162期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)、EDINET(金融庁)、朝日新聞社の書類検索画面
(2016.2.26出典変更、二次ソースから一次ソースに変更、引用記事は変更なし)
(以上)
以下、引用文
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新聞広告から見る朝日新聞の経営状況
iRONNA > 記事 > 新聞広告から見る朝日新聞の経営状況
『渡邉哲也』
私は経済評論家なので経済的側面から朝日新聞を考えてみたい。
朝日新聞とは「株式会社朝日新聞社」が発行する日刊の商業紙である。朝日新聞社は株式会社形態を取る「営利を目的とした私企業」にすぎない。そして、その収益は、読者の払う新聞の購読料と「広告収入」により成り立っている。そして、新聞社の最も大きな収益源は販売店に手数料が入るチラシではなく、本紙に印刷されている「本紙広告」ということになる。
基本的に、新聞の広告代金は時価であり、明確な定価が存在するものではない。しかし、一応の目安は存在し、朝日新聞の場合、全面(15段)で4000万前後というのが朝日新聞社側が提示している参考価格ということになる。そして、この価格は年間の出稿回数や曜日、何面に掲載するか、期日の指定があるのかなどにより、いかようにも変動する。
要は需要と供給の市場原理で決まっているわけである。
簡単に言ってしまえば、朝日新聞に広告を出したいと思う広告主が多ければ高くなり、少なくなれば安くなるわけである。また、突然広告主が降りてしまったり、広告が集まらなくなった場合、これが「タダ同然」で販売されるケースも存在するのである。いわゆる穴埋め広告である。
その意味では新聞広告というのは、新聞社の経営の健全性を測る一種の目安になるといってよいのだろう。
では、どんな広告が高いのかということになる。基本的に期日の決まったカラー広告は高い。
例えば、何かのイベントに合わせた企業のイメージ広告や新発売に合わせた新商品の広告などがそれにあたる。このような広告は単価も高いため、上場企業など有名企業でなければなかなか出せない。このような広告が多ければ新聞社の経営がうまくいっていると見て良いのだろう。
逆にどのような広告が安いのかといえば、
1.健康食品などの通販広告
2.旅行会社などの広告
3.書籍などの出版物の広告
ということになる。新聞の紙面がこのような広告であふれていたら、経営的には黄色信号と見て良いのだろう。そして、一番危険なのは、系列会社や自社イベントの広告や社会啓蒙などの公共広告である。これは広告主が集まらず、穴埋めのために仕方なく入れた広告である可能性が高いからである。
実は、新聞に掲載することが出来る広告スペースは法律や規定で決まっている。
新聞は郵便料金が安くなる第三種郵便の承認を受けており、この規定により全紙面の50%までとなっているわけである。そして、公職選挙法により、選挙報道を行うにはこの第三種郵便の承認を受けている必要があるため、事実上、紙面の50%に制限されているのである。そして、どこの新聞社も最大限の利益の確保のため、このギリギリのラインを広告スペースにしているわけだ。
朝日新聞の場合、平均で40ページ程度なので20ページ分が広告スペースとして確保されているわけである。
新聞社の営業はこのスペースを埋めるために必死に営業を行うわけであるが、どうしても埋まらない場合、先ほどの穴埋め広告で誤魔化すしかなくなるわけである。
単純に考えれば、広告が集まらないならば、記事を増やすことで対応すればよいのであるが、政治部や社会部など部別にある程度枠が決まっており、これを変えるのは簡単ではない。また、年間の使用量に合わせ紙やインクを確保している為、紙面を減らすのも容易では無いのである。
そして、朝日新聞には紙面を減らせない別の理由も存在する。なぜなら、全国紙の他紙よりも高いからである。競合する読売と毎日新聞が130円 産経新聞が110円であり、朝日は150円だからである。他紙よりも高い以上、ある程度のボリュームがなければ今以上の割高感が出てしまうからなのである。そのため、広告主がいなくなると穴埋め広告が増えるわけである。
昨年、朝日新聞問題が起きた時、穴埋めと思われる子会社の広告が急増した。これは広告主が企業イメージの悪化を恐れ、広告出稿を取りやめたことに起因するものと思われる。
また、このような子会社の広告にはもうひとつの問題も存在する。いくら子会社とはいえ、別法人である以上、広告費を払っているはずであり、これが朝日新聞の売り上げとして計上されているものと思われる。これを悪用すれば、一種の売り上げの粉飾も可能なのである。100%の連結対象であれば、最終的に親会社子会社の間で利益と経費が相殺されるため、最終的には調整されるが、見た目の売り上げをよく見せることが出来るわけである。
6月25日に公表された朝日新聞決算書(2014年4月から2015年3月)によると 新聞事業4033億2500万円(前年比-7.9%)、セグメント利益29億8300万円(前年比-54.7%)と大幅な業績悪化が生じていた。また、この数字は問題が発生する前の数字を含んだものであり、問題発生後だけで見ればもっと厳しかったのだと想像できる。
朝日新聞は新聞事業の売上の明細を公表していないため、具体的な実態をつかむことは出来ないが、この業績悪化の大部分が広告収入の減少によるものであると思われるのである。
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改訂履歴
※2016.1.28、タイトル変更(15:00)、「新聞広告から新聞社の経営状況が見える(朝日新聞の例) 余命ブログ以外の分析」>>「新聞広告から新聞社の経営状況が見える(朝日新聞2015.3の例) 余命ブログ以外の分析」
※2016.2.26、出典変更(二次ソースから一次ソースに変更、引用記事は変更なし)
変更前の出典は以下
「簡単まとめ」 >> 信濃注欄 >>
投資関係が分かる有報速報 様、株式会社朝日新聞社 有価証券報告書 第162期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)、p.10/102
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