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2016年3月22日火曜日

【信濃雑感】 朝鮮戦争再開時の注目点、済州島


 朝鮮戦争再開が危惧されていますね。どのような展開になるのか非常に気になるところです。そこで本稿では、朝鮮戦争再開時の注目点の一つ、韓国の済州島海軍基地(2016.2.26完工)について考察してみます。

・結論(朝鮮戦争再開時の注目点)
…日米は済州島を死守する可能性が高い
…韓国政府が移転するとすれば、済州島になる可能性が高い

参考記事
日米中露韓朝の思惑(妄想です)
代表的な?有事シナリオ(妄想です)



以下、本文

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韓国、済州島の海軍基地完成 東シナ海の権益確保へ 中国との摩擦起こる可能性も






・済州島は軍事的要衝
…対馬海峡に隣接し、東シナ海と日本海を結ぶ航路上にある
…済州島海軍基地は重要拠点


図の引用元:
【メガプレミアム】中国“植民地”と化す韓国・済州島 島民感情は「不安」から「恐怖」へ 不動産“爆買い”の本当の狙い 産経WEST、2016.1.1 15:00更新



・第二次朝鮮戦争の結果、済州島海軍基地を北朝鮮が接収し、中国軍、または、露軍が利用するようになった場合
…日米中有事、または、日米露有事に対馬海峡が封鎖される可能性が高まる
 (日米露有事の可能性は相当、低いが)

・対馬海峡の重要性
…日米にとって、日本海経由、露・ウラジオ艦隊への攻撃経路

・有事に対馬海峡を封鎖された場合
…露・ウラジオ艦隊への攻撃経路で、比較的確実なものは津軽海峡のみとなる
…津軽海峡は日米が死守するだろうが、仮に機雷封鎖でもされたら目も当てられない
…北方領土、および、その先の千島列島からカムチャツカ半島に至る列島線(太平洋・オホーツク海航路)は、北方領土を含めて露が死守する可能性が高い
…宗谷海峡(オホーツク海・日本海航路)は当然、露が死守するだろう



・済州島 接収 海軍基地利用への布石とも受け取れる事象(2016.3.22、13:40誤記訂正)
…中国人による済州島の永住権獲得
【メガプレミアム】中国“植民地”と化す韓国・済州島 島民感情は「不安」から「恐怖」へ 不動産“爆買い”の本当の狙い 産経WEST、2016.1.1 15:00更新 (添付資料参照)
…露による北朝鮮支援
【対北制裁】決議案にロシア賛同へ、航空機・ロケット燃料輸出禁止項目で修正求める

…また、露は中国と仲がいいとは言えないものの、一時的に手を組む可能性はある



・有事の対馬海峡封鎖を防ぐために
…済州島を日米の不沈空母とすべきではないか
…台湾が中国に対する不沈空母と言われるように

参考記事
【野口裕之の軍事情勢】中国人民解放軍による台湾侵攻作戦が現実味? 米ランド研究所による米中戦力逆転分析の衝撃 産経ニュース、

 話を元帥のメッセージに戻す。朝鮮戦争勃発2カ月後の1950年8月、《米国海外戦争復員兵協会》の総会に伴い、東京発で打電したメッセージに《台湾=不沈空母》なる表現が含まれていた。
 いわく-
 《第二次世界大戦で、米国の戦略的前線は米本土や(ハワイなど)飛び地を離れ、フィリピンへと一挙に前進。太平洋全域が米国という城を守る堀に成った。アリューシャン~マリアナ列島線を軍事確保していれば、アジアで自由主義国を占領せんともくろむソ連・中共陣営の奇襲攻撃は有り得ぬ。しかし、列島線を失えば戦争は不可避だ》 (中略)
 元帥のメッセージは続く。
 《陥落した台湾は敵の突出陣地と成り、沖縄への空爆力は中国本土を出撃する作戦に比し2倍の威力に増大される》 (中略)
 《台湾陥落は不沈空母及び不沈潜水母艦が敵の手に有るに等しい。沖縄とフィリピンをにらむ敵の理想的出撃拠点に、同時に米軍が沖縄やフィリピンを出撃し中国大陸を攻撃する際の一大抵抗拠点にも成る》
(引用以上)



・結論(朝鮮戦争再開時の注目点)
…日米は済州島を死守する可能性が高い
…韓国政府が移転するとすれば、済州島になる可能性が高い





以下、添付資料

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添付資料一覧

【野口裕之の軍事情勢】韓国海軍の済州島基地が中国海軍艦艇の拠点と化す日は来るのか
更新

【メガプレミアム】中国“植民地”と化す韓国・済州島 島民感情は「不安」から「恐怖」へ 不動産“爆買い”の本当の狙い 産経WEST、2016.1.1 15:00更新



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【野口裕之の軍事情勢】韓国海軍の済州島基地が中国海軍艦艇の拠点と化す日は来るのか
更新

 米太平洋軍司令官ハリー・ハリス海軍大将は米軍時間2月23日、上院軍事委員会で、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設について、計画から「2年少し遅れ、2025年になるとみている」と表明し、日本政府は外交ルートを通じて抗議した。
 しかし、日米両国にとり、もっと厳しく監視する対象に浮上した基地が在る。

《韓国海軍の済州島基地》
 2月26日に完工式典が行われたが、中国海軍艦艇の「拠点」と成りかねない。以下説明するが、一言で言えば小が大に事(つか)える《事大主義》病がまたぞろ発症しそうな気配なのである。

韓国南部済州島に完成した海軍基地で開かれた完工式典=2月26日(聯合=共同)
韓国南部済州島に完成した海軍基地で開かれた完工式典=2月26日(聯合=共同)

事大主義病発症の危険

 済州島近海は、中国に海路運び込まれるエネルギーの8割が通る海上交通路に当たる。米国は航路を扼する要衝の島に基地を建設する韓国の計画を、強く支持した。ところが本来、韓米国益に資する基地誕生の前途は多難。済州島の150キロ西南に「爆弾」を抱えているせいだ。

《離於島/中国名・蘇岩礁》
 島と命名されているが、干潮時にも岩頂が海面下にある暗礁で、韓中両国は互いに「自国のEEZ(排他的経済水域)に在る水中暗礁」と主張する。基地建設に、中国は恫喝の凄味を飛躍的に効かす。現に、基地完成が目前に迫った1月31日午前と午後、離於島南方上空の韓国・防衛識別圏(KADIZ)に中国軍の偵察機と早期警戒機が無断で入った。
 KADIZは2013年12月、中国の離於島を含む防衛識別圏設定に対抗して設けられた。韓国が珍しく中国に強硬な態度を示したかに見えるが、日韓軍事筋は、離於島の韓中管轄権問題に韓国の一部政府・軍関係者は「おびえている」と解説する。
 韓国の関係者の目線の先には尖閣諸島(沖縄県石垣市)が在る、という。中国海警局の、とても海上警察とは思えぬ重武装巨大公船が、来る日も来る日も日本の領海や接続海域に侵入する状況が「明日の離於島」に映るのだ。「世界屈指の海上警備力を誇る日本でさえ、中国の大攻勢に大いに苦戦している。韓国の海上警備力では到底刃が立たない」と、懸念は極に。03年6月完成させた高さ76メートルもある離於島・海洋科学調査施設も一部関係者にとり、今となっては後悔の種だ。
 日本も韓国を笑えぬが、まともな国家なら主権を守るべく、断固たる姿勢を打ち出す。だが、韓国は強い相手には手を出さない。離於島を手に入れたときもそうだった。
 権利を主張した1950年代には韓中両国に国交はなく、わが国固有の領土・竹島同様に朝鮮戦争(1950~53年休戦)のドサクサに紛れての「火事場泥棒」的所業であった。当時の中国海軍は貧弱で、中国海軍が現在のように質量共に著しく大強化されるなど、夢にも思っていなかったはず。

THAADで「米中天秤」

 さて、韓国海軍の済州島基地がなぜ中国海軍の寄港拠点に成り得るのか?答えは、《THAAD=終末高高度防衛》システムの導入をめぐる、米中間を「行ったり来たりする」韓国の見苦しい姿に見いだせる。
 THAADシステムは短・中距離弾道ミサイルの動きを捉え、着弾体勢=終末段階まで破壊できぬ場合に迎撃する防御兵器。ただ、システムを構成する高性能レーダーが、中国本土の広い地域を監視可能なため、中国は韓国を脅しまくった。
 
当初は供給元・米国に導入をOK→中国の恫喝で「導入おとぼけ作戦」→北朝鮮による核+ミサイル開発に仰天→それでも逡巡→米国が激怒→慌てて米国と協議へ…との顛末は小欄で触れた。
 脅せば腰砕け。効果抜群の韓国に向け、中国共産党中央軍事委員会の機関紙《解放軍報》は2月18日、中国空軍の爆撃演習を紹介しながら、こう報じた。
 《(THAADが原因で)開戦に至れば、中国空軍の爆撃機編隊は1時間で韓国のTHAAD基地や日本のミサイル防衛システムを破壊できる》
 《THAADシステムを最優先の攻撃目標にセットする》
 《開戦直後、真っ先に出撃する20機は数百発の巡航ミサイルを発射しTHAADシステムを破壊。再度設置する試みも阻止できる》
 共産党機関紙系《環球時報/2月16日付》も社説とは思えぬほど品がなかった。
 《中国の足が水に浸かったら、ある者は腰、さらには首まで浸かることになると確信する。誰であろうと最低ラインを越えれば、決然と代価を支払わせる》
 中国のこわもてに、韓国は耐えられない。実際、THAADミサイルの発射基地を米軍の計画より後方に下げ、ソウル以北の迎撃精度を著しく落とす、危ない妥協案まで浮上し始めた。

「碁石」に転落と嘲笑

 済州島基地の計画にも、中国に配慮したともとれる、逃げ道を設けた?と推測する。
 例えば、《民軍複合型観光美港》なる基地のデザイン。《軍民》ではなく《民軍》と強調するように、基地には海軍艦艇20隻を係留できる一方で、15万トン級クルーズ船2隻も入港可能だ。そのためのクルーズ・ターミナルも併設される。基地建設反対派国民のみならず、中国を念頭に、観光拠点を色濃く演出し、軍事色を薄めたい底意を感じる。
 「民軍」供用開始は17年7月で、軍事同盟相手・米国の海軍艦艇も当然寄港し、中国の強烈な反発は必至。韓国がTHAADシステム導入で演じる「米中天秤」の醜態が、済州島基地を舞台に再現される必然性は非常に高い。
 韓国の「対中恐怖症」例はいくらでも在る。韓国政府はわが国との軍事情報保護協定締結を延期しながら12年夏、中国と同種の協定を結ばんとした。締結されていれば、韓中が軍事情報を共有し、米国が韓国に供与する兵器や軍事情報が中国に漏れる危険が伴う。韓国の“戦略”はもはや、理解不能だ。
 済州島基地には中国クルーズ船が入り、経済的にも潤う。韓国にカネを落とし、恩を売る中国の次の要求は「中国漁船の不法操業に向けた中韓共同取り締まり」名目の海警局公船入港。やがて、中国のクルーズ船や公船に加え「親善/共同訓練」名目の海軍艦艇の寄港が激増、済州島の基地機能はそがれていく。
 環球時報は《THAAD配備で中米軍拡競争が起き、韓国は独立性を今以上に失い、中米が奪い合う『碁石』に転落する》と、韓国の将来を嘲笑した。
 この見方はちょっと違う。既に、米中が奪い合う碁石に…。
(政治部専門委員 野口裕之)



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【メガプレミアム】中国“植民地”と化す韓国・済州島 島民感情は「不安」から「恐怖」へ 不動産“爆買い”の本当の狙い 産経WEST、2016.1.1 15:00更新

 韓国有数のリゾート地として知られている済州島が、中国の進出に揺れている。
 東シナ海に浮かぶ済州島は単なる観光地にとどまらず、日本海や黄海に通じる海上交通路(シーレーン)をにらむ戦略的要衝でもある。怒濤(どとう)の勢いで進みかねない“中国化”に対し、韓国内では「このままでは済州島が中国の植民地になってしまう」との声も上がっている。
 済州島への中国の進出ぶりを示す一例となったのが中国の邱国洪駐韓大使が今年7月にある会合で語った言葉だ。中東呼吸器症候群(MERS)の感染拡大に伴い、中国からの観光客が減少したのを受けて、邱氏は中国人観光客の韓国訪問を再び増やす方法の1つとして済州島のようにノービザで訪問できるようにすべきだとの提案を披露したのだ。




ノービザで次々と訪問

 韓国は2006年7月に済州島のみを訪れる場合にはビザを必要としない「ノービザ対象国」に中国を含める措置を取った。このことをきっかけに済州島に中国人が押し寄せるようになった。2014年に済州島を訪れた観光客は約1200万人で、このうち中国人は280万人を超えている。
 中国・北京から済州島まで空路で約2時間半、上海からは約1時間という近さもあって、当初は主に観光目的が多かったが、やがて不動産への投資、それも買い占めが行われるようになった。かつては済州島の山腹にリゾート施設を建設していたのが、最近では済州市の中心街にまでその対象が広がっている。

 中国人が不動産を買い占める理由は主に2つある。
 1つは投資目的だ。
 済州島を訪れる中国人を相手とした大型リゾートの建設やコンドミニアムの購入などがこれにあたる。2014年9月の時点で中国人や中国企業の名義となっている韓国国内の土地は約1197万平方メートルだったが、その70%が済州島に集中している。島内ではコンドミニアムやホテルの建設が続き、中国企業が1兆ウォンを投資して済州市に51階建てのビルを建設する構想さえ持ち上がった。

狙いは永住権の獲得

 ただ、より注意を払わなければならないのが永住権の獲得だ。
 済州島では5億ウォンまたは50万ドル以上を不動産に投資すると、韓国で暮らすことができるビザが発給され、そのまま5年間不動産を保有すれば永住権が与えられる。この永住権獲得を目的とした不動産投資が行われているのだ。
 「不動産投資移民制」と名付けられたこの制度の下、昨年8月までに外国人783人が永住権を獲得し、このうち中国人は98%にあたる768人に上った。
 中国人が保有する土地は昨年6月時点で592万平方メートルで済州島の面積の0・3%だが、問題はその場所がどこかということと、その目的が何かという点にある。
 中国企業が山腹に建設したコンドミニアムの1つは1棟当たり5億ウォン。つまり、永住権獲得を狙う中国人への売却が目的になっている。
 中国企業によるリゾート施設開発に伴う森林の伐採で、飲料水に使う地下水への影響も懸念されている。

戦略的環境の一変も

 平成26年10月に済州島を視察した沖縄経済同友会がまとめた報告書は「不動産投資移民制」について、急増する中国人観光客向けに、市街地や山腹で大型観光施設の造成が意欲的に進められているが、そのほとんどが中国資本内で完結し、景観や森林の破壊、飲料水汚染など環境を損なう懸念があることから、済州島島民には恩恵をもたらさないと認識されている、と記している。
 朝鮮日報によると、済州島の元喜竜知事は中国資本の急激な流入について「済州島の住民感情の根底には恐怖が横たわっている」と語ったという。
 こうした懸念を受けて、済州島の行政当局は今後、不動産購入の対象地域を観光地と遊園地に制限することや、5億ウォンの不動産投資に加え、地域開発債を5億ウォン以上購入するなどの条件を課すことで永住権取得のハードルを上げることを検討しているという。
 ただ、島内への中国人の渡航や中国資本の流入を規制すれば、経済に打撃が出るとの懸念も韓国国内には出ている。
 済州島は軍事的な価値が高く、韓国政府は海軍基地の建設を進め、イージス艦の配備も予定している。その済州島が中国化してしまったら、東アジアの戦略的な環境は一変してしまうに違いない。

(2015年12月2日掲載)



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改訂履歴
※2016.3.22、誤記訂正(13:40)

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