G7首脳の伊勢神宮参拝については別記事に掲載いたします。
目次
1.米国・オバマ大統領の広島訪問に関する所感
1-1.オバマ大統領について
1-2.被爆者代表・坪井氏について
1-3.安倍総理について
2.歴史の転換点に関する一考察
2-1.大東亜戦争後70余年の日米史の転換点
2-2.第二次世界大戦後の世界史の転換点
※参考記事
・歴史の転換点…G7伊勢志摩サミット・伊勢神宮参拝、米国オバマ大統領広島訪問…産経ニュース・ヘッドライン 2016.5.27
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1.米国・オバマ大統領の広島訪問に関する所感
1-1.オバマ大統領について
広島を訪れたオバマ大統領は、原爆慰霊碑に献花した上で、亡くなられた方々に直立不動で黙祷されていました。これはオバマ大統領にできる最大限の慰霊の表現だったのかもしれません。現職の米国大統領として訪問したのですから、米国国内にある原爆投下を正当なものとする世論にも配慮する必要があるのでしょう。
しかし、正直に言えば、オバマ大統領には原爆慰霊碑の前で頭を下げるなり、十字を切るなりして欲しかった(オバマ大統領はプロテスタントのキリスト教徒)。謝罪の言葉は要らないと思いますが、慰霊の仕草ははっきりと示して欲しかったです。
いずれにせよ、かつて熾烈に戦火を交えた相手国にある、原爆という虐殺兵器を世界で初めて使った広島の地に、使った側の国の大統領が慰霊に訪れた、というのは事実です。日本は特攻作戦を、米国は原爆投下をしてまで戦ったのですから本当に熾烈です。
オバマ大統領にしてみれば、日本で反米世論が巻き起こるのではないかと気になったことでしょう。また、米国国内の世論だけでなく、西側の核保有国である英仏の反応も気になるところでしょう。イスラエル、インドなどの反応も気になるところでしょう。現地で日本人から復讐されるのではないか、という恐怖心もあったかもしれません。
オバマ大統領の勇気ある行動に敬意を表します。オバマ氏は超大国・米国の大統領に相応しいお方だと思います。また、オバマ大統領の広島訪問により、米国が世界のリーダーに相応しい良識と勇気と誠意を持った国だということを世界に知らしめたと思います。
wikipedia-バラク・オバマ >> 経歴 >> 生い立ち
バラク・オバマ自身はプロテスタントのキリスト教徒であり[14]、キリスト合同教会(英語では"the United Church of Christ (UCC)"で、キリスト連合教会、合同キリストの教会、統一キリスト教会などとも訳される。)に所属している[15][16]。
(引用以上)
【オバマ大統領広島訪問】演説を読み解く…「唯一核使った米国には行動する責任がある」と指摘したプラハ演説から7年目の回答
【オバマ大統領広島訪問】原爆資料館の芳名録に記帳「私たちは激しい苦しみ体験してきた」…「正当化論」も意識か
オバマ大統領が記帳した芳名録
オバマ大統領がサインした広島平和記念資料館の芳名録=27日午後、広島市(桐原正道撮影)
(引用以上)
【オバマ大統領広島演説(全文)】「深く考えるためにここに来た」「10万人犠牲者の魂に語りかける」
広島市の平和記念公園での演説で「核兵器なき世界」への決意を表明するオバマ米大統領=27日午後5時49分(代表撮影)
広島市の平和記念公園を訪れ、被爆者の森重昭さんを抱き締めるオバマ米大統領=27日午後(ロイター)
(引用以上)
黙とうするオバマ米大統領
時事ドットコム > 映像・写真ニュース
27日、広島市中区の平和記念公園で原爆死没者慰霊碑に献花し、黙とうするオバマ米大統領(代表撮影)【時事通信社】
(引用以上)
上の写真は、被爆70年を経た広島。木々が生い茂りビルが林立する中に、原爆ドームが静かに歴史を記録している。下は、昭和20年10月にカメラマンの林重男氏が撮影した原爆ドーム(広島平和記念資料館提供)原爆投下から2カ月を経ても見渡す限り瓦礫の山が続き、人影は見あたらない
(引用以上)
1-2.被爆者代表・坪井氏について
原爆を体験された方々の数十年に渡る苦しみ、悲しみは、とても計り知ることができません。また、お亡くなりになった方々の生前の苦しみと無念さも計り知ることができません。
日本原水爆被害者団体協議会(被団協)の代表としてオバマ大統領とお話された坪井氏の胸の内からも、これらが消えることはないだろうと思います。しかし、坪井氏はこれらを胸に秘めたまま、乗り越えて、未来のために、オバマ大統領に「米国を責めていないし、憎んでもいない。これからが大事だ。」と語ったのだと思います。その想いは、オバマ大統領にはもちろんのこと、映像を通して多くの米国の方々にもしっかりと伝わったことでしょう。
坪井氏は大変、聡明で清々しいお方だと思います。その言葉と行動で、日本の良識と度量と誠意を体現し、米国のみならず世界に知らしめたと思います。坪井氏に敬意を表します。
【オバマ大統領広島訪問】「米国を責めていないし、憎んでもいないと(オバマ氏に)伝えた」と坪井さん
スピーチをしたオバマ米大統領と話す被爆者の坪井直さん(右)。左は安倍晋三首相=27日午後6時6分、広島市中区の平和記念公園(鳥越瑞絵撮影)
日本原水爆被害者団体協議会(被団協)代表委員の坪井直さん(91)は27日、オバマ米大統領との対面後に広島市内で記者会見し、広島への原爆投下について、オバマ氏に「米国を責めていないし、憎んでもいないと伝えた」と明らかにした。オバマ氏は、坪井さんの手を握りしめたという。オバマ氏の広島訪問は「(核廃絶への)一歩として評価したい」と強調。「これからが大事だ。『時々広島に来て』と言ったら、(オバマ氏の)握手が強くなった」と語った。
また、記者会見に同席した被団協事務局長の田中煕巳さん(84)は「一人一人が、(核廃絶に向け)何をしなければいけないかを考えるきっかけになったと思う」と指摘した。
(引用以上)
26日、広島市中区の国際会議場で、広島県原爆被害者団体協議会理事長も務める坪井さんがつえをつきながら報道陣の前に現れた。
「『情ではなく、理性を持って、未来志向で人類の幸せを願いましょう』と言いたい。広島に来てくれただけで大歓迎」。はっきりとした大きな声でオバマ大統領との対面への思いを語り、ときおり笑みもみせた。「もちろん緊張はするけど、自然体で会うことを大切にしたい」
広島工業専門学校(現・広島大工学部)の学生だった昭和20年8月6日朝、通学途中に爆心地から約1・2キロ離れた路上で被爆、爆風に吹き飛ばされ重傷を負った。しばらく意識不明の状態が続き、目覚めたのは終戦後の9月下旬だった。
「原爆の恐ろしさを伝えていきたい」と教員の道を選び、定年退職後は被爆体験の証言活動を始め、欧米や中国などを訪問。平成7年に初めて米国を訪問したときには「原爆投下は正しかった」と正当化する意見を幾度となく浴びせられたが、そこでも根気強く核の恐ろしさを訴え続けた。
今年4月に広島市で開かれた外相会合で各国の外務大臣が原爆資料館を訪問し、核軍縮を促す「広島宣言」も採択された。何度も口にしてきた「核兵器ゼロ」への1歩と感じ、自らの活動が少し報われたような思いにもなった。
今月25日夜、広島市から自宅に電話があり、オバマ大統領と面会するよう打診された。はやる気持ちを抑え、「行きます」と冷静に答えた。
いまだに「人生をめちゃくちゃにされた被爆者の1人」としての思いはあるが、それよりも「核兵器のない世界」を提唱したオバマ大統領への期待は大きい。「『あなたを応援する』とも伝えたい。私は核兵器がゼロになるまで諦めませんから。ネバーギブアップですよ」。自らの取り組みに重ね合わせるように言った。
(引用以上)
1-3.安倍総理について
ここまで導いた安倍総理の手腕と努力にも敬意を表したいと思います。
ただし、これは単に外交上のテクニックだけでできたものではないと思います。歴史の流れ、日本人の想い、米国人の想い(反対論もあるようですが)が混然一体となったところに、安倍総理の想いと外交手腕が加わって実現したものだと思います。
情勢を的確に把握してオバマ大統領の広島訪問を実現させた安倍総理は、日本のリーダーに相応しいお方だと思います。また、日本が米国とともに世界のリーダーの一国として相応しい良識と度量と誠意を持つ国であることを、世界に知らしめたと思います。
2.歴史の転換点に関する一考察
2-1.大東亜戦争後70余年の日米史の転換点
米国・オバマ大統領の広島訪問が、大東亜戦争後70余年の日米の歴史の転換点であることは疑いようがありません。
繰り返しになりますが、かつて熾烈に戦火を交え、原爆という虐殺兵器を世界で初めて使った戦勝国の現在の大統領が、敗戦国・日本の初めて原爆が使われた広島の地に、慰霊のために訪れたのです。日本は特攻作戦を、米国は原爆投下をしてまで戦ったのですから本当に熾烈です。
米国は大統領による慰霊という形で原爆投下の歴史を直視し、日本は総理大臣自らが爆心地を案内するという形で米国を受け入れました。両国首脳は、ともに過去を乗り越えて、未来のために力を尽くしていくことを宣言しました。
両国国民には納得がいかない部分もあると思います。私もありますが、原爆を体験された方々、被爆2世、3世の方々に比べれば大したことはありません。米国で第二次世界大戦を戦った方々、その子孫の方々にも納得がいかない部分はあることでしょう。しかし、子供たちの世代のことを考えれば、文句を言い合うのではなく、建設的に話し合いを重ね、協力して行動する方がはるかに大事なのは言うまでもないと思います。
2-2.第二次世界大戦後の世界史の転換点
ここで視点を、第二次世界大戦後の世界の歴史の転換点というものに変えてみます。
米国は、第二次世界大戦の戦勝国側の大国である米英ソの一角であり、戦後体制である国連では西側諸国のリーダーです。その米国の大統領が、敗戦国側で最後まで熾烈に戦った日本国の被爆地を慰霊に訪れました。米国・オバマ大統領の広島訪問は、第二次世界大戦後の西側諸国全体の歴史の転換点と言えるでしょう。
ちなみに、第二次世界大戦後、西側陣営だった韓国は、伊勢志摩サミット拡大会合への「招待」を断りました。西側主要国の重要会合であるサミットへの「招待」を断り、中国が進出を進める地の一つ、アフリカへと行ったようです。
また、韓国は昨年、米国の制止を振り切って中国軍事パレードに参加し(2015.9.3、首脳が参加した主な国は中露韓)、同じく米国の制止を振り切ってAIIBに参加しています(2015.12.25発足)。
これらを合わせると、韓国が西側陣営に「まともに」復帰できる可能性はなくなったと思います。在韓米軍撤退も合わせると、韓国を含む朝鮮半島は東側陣営で固まったと言えるでしょう。
以上より、米国・オバマ大統領の広島訪問は、第二次世界大戦後の東西陣営、即ち、世界史の転換点になると思います。
【伊勢志摩サミット】朴槿恵大統領が初訪日見送り 日本政府、サミット招待を断念
【ソウル=藤本欣也】韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領が5月26、27両日の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)に合わせた訪日を見送った。日本政府はサミットへの招待を調整していたが断念した。実現すれば、2013年2月の大統領就任後初の訪日になるはずだった。(中略)
議長国がサミットの拡大会合に主要7カ国以外の首脳を招くのは通例で、今回はインドネシアやベトナム、ラオスの首脳らの招待が決まっている。
日本政府としては、関係が改善した朴大統領も招き、連携をさらに強める狙いがあった。朴大統領は慰安婦問題をめぐる昨年末の日韓合意を政権の成果として重視し、合意の着実な履行を掲げている。また北朝鮮の軍事的挑発を前に、韓国との安全保障面での協力拡大も急務といえる。
日韓関係筋によると、朴大統領は5月下旬、フランスとアフリカを歴訪することになり、訪日の時間を調整できなかったという。(後略)
(引用以上)
朴大統領、訪米で“踏み絵” オバマ氏が「中国離れ」促す“最後警告”
2015.10.18、zakzak by 夕刊フジ
オバマ米大統領は16日(日本時間17日未明)、ホワイトハウスで韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領と会談した。米韓両政府は会談後、「対北朝鮮での結束」などを強調する共同声明を発表した。両首脳には笑顔も見られたが、注目すべきは、オバマ氏が、朴氏に対し、「中国離れ」を促す“最後警告”を発したことだ。
同盟国の首脳会談では通常、厳しい言葉は使わない。オバマ氏も会談後の共同記者会見で、近く開かれる日中韓首脳会談について、3カ国の関係を進展させる「新たな一歩だ」と述べ、歓迎する考えを明らかにした。そして、中国が国際規範に反する行動を取った際には、「韓国が米国と同じ声を上げることを期待する」と続け、対中関係での米韓の連携強化を求めたのだ。淡々とした言葉だが、中国傾斜を続ける朴氏に対し、「中国の味方をするのなら、ただではおかないぞ!」と通告したといえそうだ。
「米中二股外交」を続ける朴氏は、米国の制止を振り切って、中国主導のAIIB(アジアインフラ投資銀行)に参加した。先月初めも、北京で行われた抗日戦争勝利70年記念行事に、米国の反対を押し切って出席した。米国は内心、韓国の親中姿勢に強い不満を抱えている。
こうしたなか、米中関係が緊張してきた。中国は、米国へのハッカー攻撃について「自分たちも被害者だ」とシラを切り、南シナ海で岩礁を勝手に埋め立てて軍事基地化し、「自国の領土、領海だ」と強弁している。
国際秩序を無視する中国を、米国はこれ以上、放置できない。米軍は南シナ海の「航海の自由」を守るため、近く、海軍艦艇を中国の人工島の12カイリ(約22キロ)内に派遣する。このタイミングでのオバマ発言を、朴氏は真摯に受け止められるのか。
(引用以上)
【矢板明夫の目】完全なる失敗に終わった中国の抗日軍事パレード 国際社会の“嫌われ者”浮き彫りに… 産経ニュース、2015.9.21 13:00更新
(前略) 北京の外交関係者によると、中国は軍事パレード実施の約半年前の今年2月から世界中の100以上の国に対し招待状を送るなど出席を打診したが、国際社会の反応は厳しかった。結局、日本や米国など先進7カ国(G7)の首脳は全員参加を見送った。太平洋戦争の戦場となったフィリピンやインドネシアの首脳も姿を見せなかった。習近平政権発足後、2国関係が唯一良くなったといわれた韓国の朴槿恵大統領でさえ、直前になるまで、態度をあきらかにしなかった。
当日、天安門楼上に上った外国首脳のなかに、朴大統領とロシア大統領のプーチン大統領以外は、国際社会で知名度も影響力も低いリーダーばかりだった。人民解放軍の隊列に続き行進したパキスタン、キューバ、メキシコなど11カ国の外国軍の部隊の大半は、旧日本軍と戦ったこともなければ、日中戦争中に中国を支援したこともない。むしろ、中国から支援を受けている国が大半を占めた。ベネズエラ軍代表も行進に参加したが、派遣された兵士はわずか9人だった。軍事パレードのあと、中国がベネズエラに対し50億ドルの融資を発表した。共産党関係者の間で「一人当たり5億ドル弱、史上最高の出場費を中国が支払った」などと揶揄(やゆ)された。(中略)
少数民族と人権派への厳しい弾圧、南シナ海での人工島建設などの強引な対外拡張路線、それに日本たたきを中心とした民族主義をあおる政治手法など、2012年に発足した習政権が進めてきた内政、外交政策は、国際社会に嫌われた実態が、今回の軍事パレードを通じて改めて浮き彫りとなった形だ。(中国総局 やいた・あきお)
(引用以上)
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改訂履歴
※2016.5.28、画像追加(20:50)
信濃さん、こんばんは。
返信削除>現地で日本人から復讐されるのではないか、という恐怖心もあったかもしれません。
日本人には復讐の意志がなくても、アメリカの指導者たちは怖いでしょうね。彼らは、必要もないのに実験のために日本に原爆を投下し、日本人の被爆者をモルモットとして扱ったことを知っていますから。もし、アメリカが敵国から同じことをされたら、必ず復讐するはずです。
>オバマ大統領の勇気ある行動に敬意を表します。オバマ氏は超大国・米国の大統領に相応しいお方だと思います。
予想していたよりも、ずっといい広島訪問だったと思います。もっと、アメリカのエゴむき出しの訪問になるかと思っていましたから。
原爆投下にまつわる敵意、憎悪、怨念、恐怖などのマイナスの情念がすべて浄化されたとは言い難いですが、そういう情念に囚われず、清く直い心で生きたいと望む日本人の心の一端は、世界の人々に伝わったのではないでしょうか。そういう日本人の心に寄り添ってくれる人が増えることにより、浄化が一層、進んで行くのではないかと思います。
>ここまで導いた安倍総理の手腕と努力にも敬意を表したいと思います。
同感です。
>日本人には復讐の意志がなくても、アメリカの指導者たちは怖いでしょうね。・・・
削除>予想していたよりも、ずっといい広島訪問だったと思います。・・・
同感です。
>・・・そういう情念に囚われず、清く直い心で生きたいと望む日本人の心の一端は、世界の人々に伝わったのではないでしょうか。そういう日本人の心に寄り添ってくれる人が増えることにより、浄化が一層、進んで行くのではないかと思います。
そうですね。多くの方々の心の奥底にある情念ですから、そうそう簡単に消えるものではないでしょうね。お互いの国の人情や生活を知って理解し、長所も欠点も受け入れることで少しずつ浄化していくのではないかと思います。