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2016年2月13日土曜日

【企業紹介】 米国、ワシントン・ポスト、その影響力と読者層 余命さん紹介の企業


 余命ブログで米国紙、ワシントン・ポスト様が紹介されました。
 同時に、大統領予備選のTV討論会で、とりあえずは日本の暴力団問題(北朝鮮核開発絡み)、並びに、慰安婦問題について取り上げて欲しい旨のメール送信の呼びかけがありました。
(送信対象は、ワシントン・ポスト様、CNN様)



そこで、前回の概要に引き続き、ワシントン・ポスト様について紹介します。
詳しくはこちらをどうぞ。

米国、ワシントン・ポスト wikipedia分析
米国、ワシントン・ポスト amazon創業者・ベゾス氏個人による買収の概要
米国、ワシントン・ポスト 買収者の狙い、米国・連続起業家の分析
米国、ワシントン・ポスト 買収者の狙い、日本人・文芸エージェントの分析
米国、ワシントン・ポスト 買収者の狙い、米国・推定左派の討論会
 ↓↓↓
wikipedia-ワシントン・ポスト
アマゾン創業者がワシントンポスト紙を買収。ジャーナリズムのWeb化がさらに加速、ニュースの教科書様、2013/08/07記事
ジェフ・ベゾスのワシントンポスト買収の狙いを分析する――インサイダーの視点、HUFF POST SOCIETY、投稿日: 2013年08月12日 19時50分 JST、更新: 2013年10月12日 18時12分 JST 、滑川海彦(著述・翻訳家)
ワシントン・ポストをベゾスが買ったワケ、マガジン航、2013年8月7日記事、posted by 大原ケイ
ワシントン・ポスト新オーナー、いかにCIAを支援し、WikiLeaksを妨害し、書籍業界を壊滅させたか、マスコミに載らない海外記事 様、2013年8月11日記事



まず、前回の簡単なおさらいから。
ちなみに前回の記事はこちら。
【企業紹介】 米国・新聞業界とワシントン・ポスト(概要) 余命さん紹介の企業

ワシントン・ポストの概要

地方紙、容共・リベラル
発行部数6位、55万部(2011.3)

新聞ガイド: 世界的に知られた新聞で、アメリカ政府に大きな影響力をもつ。

重要トピックス
 2007年、従軍慰安婦問題について、日本政府の責任を否定しアメリカ合衆国下院121号決議の全面撤回を要求する意見広告"THE FACTS"が掲載された。

信濃注:論調はリベラル派だそうですが…掲載したのはあくまで広告、商売だからでしょうか

※上記訂正について
 掲載した理由には、もちろん広告、商売ということがあると思います。しかし、もう一つ、ワシントン・ポストのジャーナリズムに対する姿勢もあるのだろうと思います。例はウォーターゲート事件。

(おさらい、以上)





では本題に入ります。

ワシントン・ポストの美点(影響力の原点)

ワシントン・ポストをベゾスが買ったワケ、マガジン航、2013年8月7日記事、posted by 大原ケイ より



ウォーター・ゲート事件

・ワシントン・ポストを世界に知らしめたきっかけ
・1970年代初頭、同紙のボブ・ウッドワード記者らが綿密な取材に基づき、ニクソン元大統領による盗聴疑惑をスクープ
・ニクソン大統領が再選のために違法に裏金をまわしていたのをすっぱ抜いた
・現職大統領の辞任という米国最大の政治スキャンダルのきっかけを作る

・信濃注:ウォーターゲート事件で、経営者のキャサリン・グラハムは、ニクソン政権からの大きな圧力に屈することなくジャーナリズムの独立を守る

・2001年に亡くなるまで同社の会長を務めたキャサリン・グラハムは、ウォータゲート事件以降、ワシントンの政界で最も影響力のある女性の一人といわれた



ワシントン・ポストのオーナーの経営姿勢

・戦後(1940年代半ば)あたりからグラハム一家(初代はメイヤー姓でその娘一族が受け継いだ)がずっとオーナー
・新聞のmastheadと呼ばれるスタッフ欄にpublisher(発行人)、という肩書きで君臨してきた
・普段は表に出てこないし、人事にもコンテンツにもクチを挟まない

・ウォーターゲート事件の報道で有名になったキャサリン・グラハムの引退後は、息子のドン・グラハムが引き継いた
…かつてほどの影響力も購読者数もないにしろ、ドンはコンテンツに口出しせずに見守ってきた
…ドンはスタッフにも好かれているみたいだ

・買収したベゾスは、とくにスタッフを入れ替える予定もないと言っているので、ワシントン・ポストのコンテンツが変わるというわけではなさそう
…でも、常識的に考えてアマゾンを一方的に攻撃するような記事は載せにくくなるだろう

・発行人としてキャサリン・ウェイマスの名前は残る
…ドン・グラハムの姪、キャサリン・グラハムの孫、少なくとも買収前の時点ではワシントン・ポストCEO

※新オーナーとなるベゾス氏は、基本的に経営には関与せず、現在の運営チームをそのまま維持するといている。ただ、ネット時代に合わせた経営改革は実施するとしている。
アマゾン創業者がワシントンポスト紙を買収。ジャーナリズムのWeb化がさらに加速、ニュースの教科書様、2013/08/07記事

※ベゾスは、グレアム家のよき伝統を守り編集権の完全な独立を保証している
ジェフ・ベゾスのワシントンポスト買収の狙いを分析する――インサイダーの視点、HUFF POST SOCIETY、投稿日: 2013年08月12日 19時50分 JST、更新: 2013年10月12日 18時12分 JST 、滑川海彦(著述・翻訳家)



ウォーターゲート事件での政権からの圧力

・ウォーターゲート事件の記事が紙面をにぎわせていた頃、ニクソン政権からワシントン・ポスト紙に相当の圧力がかけられた
…司法長官ジョン・ミッチェルが「そんなことを暴露したらケイティー(キャサリンのこと)のおっぱいがきりきり締め上げられることになるぞ」とカール・バーンスティン記者を脅したエピソードは有名



ウォーターゲート事件でのオーナーの姿勢

・ウォーターゲートにあった民主党選挙事務所に忍び込んだ盗聴犯への資金の流れに端を発し、大統領辞任に至るまで、下手なことを書いたら新聞が潰されるかもしれない…
…それでもキャサリン・グレアムは圧力に屈することなく、ベテラン編集者ブラッドリーを全面的に信頼してウォーターゲート事件の記事を発表し続けるのにゴーサインを出した

・国家への反逆罪に問われるぞという脅しに屈せず、現場の記者をどこまでも支えるという決意を示した
…コンテンツに口を出したり経営に介入したりしたのではない

・カール・バーンスティンとボブ・ウッドワードというポスト紙の2人の若手記者を、デスクのベテラン編集者ベン・ブラッドリーが支えた



ウォーターゲート事件での報道の影響

・「ディープスロート(内部告発者)」という言葉をアメリカのレキシコン(語彙)に加えてしまった
…信濃注:レキシコンとは wikipedia-語彙目録

・ついには現役大統領を辞任に追い詰めた
・一連のスクープはのちに映画化覚えている人もいるだろう(『大統領の陰謀』





ワシントン・ポストの影響力

概要

アマゾン創業者がワシントンポスト紙を買収。ジャーナリズムのWeb化がさらに加速、ニュースの教科書様、2013/08/07記事 より

・もっとも権威ある新聞社のひとつ
・米国の政界関係者のほとんどが購読しており、政治への影響力は極めて大きい




日本人・文芸エージェントの分析

ワシントン・ポストをベゾスが買ったワケ 、マガジン航、2013年8月7日記事、posted by 大原ケイ  より

・首都ワシントンのリベラル系老舗紙
・ニューヨーク・タイムズ、ロサンゼルス・タイムズと並び、全米で影響力の大きい新聞
・本社が首都ワシントンというのもあってとくに政治関連記事に強い

・読者層は、首都ワシントンとその周りのバージニア州やメリーランド州に住んでいるインテリ層、リベラル寄りの人たち。さらにオンライン版で全国に読者がいる
…ニューヨーク・タイムズとかなりかぶる

・ベゾスがオーナーとなったら、首都ワシントンで行われる政治家のパーティーにもお声がかかり、それはそれでロビイストを雇うのと同じ効果があるだろう。ワシントン・ポストに好意的に取り上げてもらおうと議員もアマゾンにすり寄っていくだろう。



米国、連続起業家の分析

ジェフ・ベゾスのワシントンポスト買収の狙いを分析する――インサイダーの視点、HUFF POST SOCIETY、投稿日: 2013年08月12日 19時50分 JST、更新: 2013年10月12日 18時12分 JST 、滑川海彦(著述・翻訳家) より

・ベゾスは、政治的影響力を強化したり特定の政治的アジェンダを達成するためにワシントン・ポストを買ったわけではない
…とはいえ有益な副作用は存在するだろう
…(ベゾスにとって)ワシントンの権力の中枢に深く張り巡らされたネットワークのオーナーであるのは悪いことではない

・ベゾスはワシントンを年に何回か訪問することになるだろうし、ワシントン・ポストの何百人もの記者が社交係秘書を務めてくれるというのは便利だろう
…ワシントン・ポストのコネを使えば、食事をともにすべき適切な相手を選び、アポを取るのに便利
…もちろん、そういうコネがなくてもベゾスが人に会うのに不自由するわけではない



米国、推定左派の識者の分析

ワシントン・ポスト新オーナー、いかにCIAを支援し、WikiLeaksを妨害し、書籍業界を壊滅させたか、マスコミに載らない海外記事 様、2013年8月11日記事 より

・国の首都のワシントン・ポストには、政治的には依然大きな価値がある
…商業的には発展の可能性がある事業ではないかも知れない
…それでも依然、途方もない政治権力を持っている
…こういう風に理解すべきだと思う

・40年間(1970年代以来)、ワシントン・ポストは実際は超党派合意の新聞
・ウォーターゲートのワシントン・ポストは何十年も昔の話





Amazon 創業者、ジェフ・ベゾス氏個人による買収

ジェフ・ベゾスのワシントンポスト買収の狙いを分析する――インサイダーの視点、HUFF POST SOCIETY、投稿日: 2013年08月12日 19時50分 JST、更新: 2013年10月12日 18時12分 JST 、滑川海彦(著述・翻訳家) より



ベゾスのワシントン・ポスト買収の理由として有力そうな5つの仮説
(米国、連続起業家、ジェイソン・カラカニス)

仮説1. エゴ
億万長者は以前プロのスポーツ・チームを買い漁ったが、それと同じで、エゴを満足させるアクセサリーだという説
結論:
・WP買収は単なるエゴの満足や退屈しのぎの道楽ではない
・ベゾスは本気だ
・ベゾスはあらゆるメディアが好きなのだ

仮説2. 影響力の獲得
ベゾスはWPの買収によって自分の影響力の強化を狙った
結論:
・ベゾスは政治的影響力を強化したり特定の政治的アジェンダを達成するためにWPを買ったわけではない
・とはいえ有益な副作用は存在するだろう

仮説3. 統合
商品宅配サービスの下準備として日刊新聞経営に乗り出した
結論:
・WPの買収はAmazonの宅配事業とは無関係

仮説4. 野心
ベゾスは大統領を目指している
結論:
・ありえない

仮説5. 挑戦
結論:
・ジェフがWPを買ったのは、知的好奇心と新事業への挑戦の精神、それに少々の偶然が加わった結果だ
・ベゾスが「トップ5の新聞が売りに出たら買おう」と考えて待ち構えていたとは思えないし、それにさらに別の新聞を買うこともないと思う



ジェイソン・カラカニスの仮説検証に付け加えたい点
(著述・翻訳家、滑川海彦)

・全体としてジェイソンの意見にほぼ同感、付け加えたい点は多少あり

・買収の主導者は、ワシントン・ポストの創業者一族で前発行人、ドン・グレアム
…ベゾスが買収をもちかけたのではない
…ドン・グレアムが売却を持ちかけた

・ベゾスにとって、買収金額ははした金程度
 …ベゾスの個人資産は250億ドル程度と推定されている
…ワシントン・ポストの2億5000万ドルという価格は、個人資産の100分の1
…例えれば、貯金が1000万円ある人が10万円のカメラを買った程度の話

・ベゾス自身、買収後に何をするか、これから考える部分があるのではないか
…ベゾスが買収して「何をするつもりか?」と推測してみても、「思いがけずドン・グレアムにすばらしい話を持ちかけられたから乗った」という要素がある

・ドン・グレアムが、今の時点で、ベゾスを名指しして売却を決断したのはなぜかを考えるべき

・ここでまず、ワシントンポストの歴史と登場人物について簡単におさらい
…1.1877年、首都で初の日刊紙として創刊
…2.1933年、当時のオーナーのネッド・マクリーンが財政トラブルに陥り、裁判所にワシントン・ポストの競売を命じられる
…3.このときユダヤ系アメリカ人銀行家のユージン・マイヤーが買収
…4.1946年、マイヤーは世界銀行の初代総裁に任命されたのを機に、娘婿のフィリップ・グレアムに経営を譲る
…5.1963年、経営者フィリップ・グレアムが48歳の若さで自殺。一時、ワシントンポストは危機を迎える
…6.しかし、ユージン・マイヤーの娘でフィリップの妻、キャサリン・グレアムが新聞経営者として能力を発揮。危機を乗り切ったばかりか、ウォーターゲート事件でニクソン陣営と対決してジャーナリズムの独立を守り、一躍アメリカの英雄となる。
…7.キャサリンの引退後、長男のドン・グレアムが後を継ぐ
…8.現CEO、キャサリン・ウェイマスは、ドン・グレアムの姉でジャーナリストのラリー・ウェイマスの娘。ドン・グレアムには姪、キャサリン・グレアムには孫にあたる
…9-1.これまではキャサリン・ウェイマスも有能な経営者であり、マイヤー=グレアム家の4代目としてドンの後継者となるものと見られていた
…9-2.また、ワシントン・ポストの経営状態は他の新聞グループに比べればはるかに安定しており、ニューヨーク・タイムズ・グループとワシントン・ポスト・グループだけはなんとか生き残るのではないかと見られていた。
…10.そこに、何の前触れも噂もなく、電撃的に売却が発表されたことで衝撃が増幅された

・売却の目的は、アメリカの国民的遺産であるワシントン・ポストという組織を確実に次世代に残すため、という長期的、公共奉仕的観点以外に考えられない
…そうでなければ、キャサリン・ウィエマス始め、マイヤー=グレアム一族の合意も得られなかっただろう
…ドン・グレアム自身の健康に問題があったということでもあれば別だが

・ワシントン・ポストの現状…ただちに経営危機を迎えるわけではないが…
…定期購読者はピークに比べて半減
…デジタル版の収入は伸びているものの印刷版の落ち込みをカバーするところまで行っていない
…このままでは次第に縮小再生産の悪循環に陥る可能性が大であった

・一方でベゾスは、長期的視点に立った独特の経営哲学を持つことで有名
…Amazonは売上のありったけを開発や設備投資に回すため、今季は赤字を計上
…それでもAmazonの株価が上昇しているのは、投資家がベゾス氏の長期的ビジョンと経営能力に絶大な信頼を寄せているからだろう

・ドン・グレアムは、このようなベゾスの
…短期利潤の追求を排除した超長期志向のビジネス哲学
…莫大な私財
…出版物に対する深い理解
などを考え合わせて、「彼以外にポストを次世代に残せる人間はいない」と確信したのだろう

・もちろんベゾスは、グレアム家のよき伝統を守り編集権の完全な独立を保証している

・今やベゾスは、アメリカを代表するIT企業の経営者であるだけでなく、グレアム家が築いてきた巨大な政治的、社会的威信を手に入れた

・ベゾスのワシントン・ポスト買収は、10年後には、アメリカ現代史に巨大な影響を与える事件だったと評価されるようになるのではないか





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改訂履歴
※2016.2.25、リンク変更、変更前のリンクは以下
【企業研究】 米国、ワシントン・ポスト wikipedia分析
【企業研究】 米国、ワシントン・ポスト amazon創業者・ベゾス氏個人による買収の概要
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