※2017.6.19、23:50追記
余命ブログ、2017年6月17日記事「1682 懲戒請求アラカルト3」
なんてったって共謀罪という法律の正式名は「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律」だからな。外患罪で告発されている日弁連組織は無条件で対象となる。
一見、個人活動のようであっても、犯罪組織の所属がはっきりしている場合は当然対象となる。海外活動している弁護士もロックオンである。明らかな所属ではなくとも常に協賛、共同行動があれば対象となるので有田芳生や福島瑞穂はまず終わり。しばき隊やのりこえネット関係者も終わりだね。
以下の募金口座でも弁護士が絡んでいるので、まあ賑やかになりそうだ。
(引用以上)
(追記以上)
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目次
1.簡単な解説 (引用)
【テロ等準備罪】山で柴刈り、キノコ狩りは共謀罪? 音楽教室もダメ? 仰天の理屈で不安をあおる野党 産経ニュース、2017.5.2 12:00更新
テロ等準備罪を分かりやすく解説
衆議院議員丸山穂高の長文ブログ様、2017-04-05 18:35:13
(日本維新の会、衆議院、大阪19区)
2.添付資料
引用
東京新聞政治部@tokyoseijibu、21:33 - 2017年3月21日 (ツイッター)
…主な条文とそのポイント
…対象となる全277罪
テロ等準備罪Q&A
法務省ホームページ、トップページ > 所管法令等 > 国会提出法案など > 国会提出主要法案第193回国会(常会) > 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案
リンクのみ
テロ等準備罪Q&Aとともに掲載されている解説等(法務省ホームページ)
・要綱
・法律案
・理由
・新旧対照条文
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1.簡単な解説 (引用)
【テロ等準備罪】山で柴刈り、キノコ狩りは共謀罪? 音楽教室もダメ? 仰天の理屈で不安をあおる野党 産経ニュース、2017.5.2 12:00更新
「山へ柴刈りに行こうか」と言ったら、共謀罪-。共謀罪の構成要件を厳格化した「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案をめぐり、野党がこうした極論を展開している。テロ等準備罪の対象犯罪には、テロとの関係が不明確の犯罪も含まれているという主張だ。確かに、柴刈りに行く相談をしただけで処罰されてはたまらないが、本当に法案の問題点を突く指摘といえるのか。誤解に基づく曲解で、ただいたずらに国民の不安をあおるだけの言説の可能性はないのか。(大竹直樹)
山の幸も対象?
「キノコとか竹とか、山の幸を無許可で採っても、テロの資金源だから共謀罪という話があった。海産物、海の幸はなぜ入っていないのか」
民進党の山尾志桜里前政調会長は、4月19日の衆院法務委員会でこう疑問を呈した。テロ等準備罪の対象となる277の犯罪の中には、森林法違反も含まれる。産物とは土砂や立ち木だけでなく、「山の幸」のキノコも入る。そこで山尾氏は「これはテロ対策なのか」と気炎を上げたのだ。
2020年東京五輪・パラリンピックを控え、今回の法案成立は、国際組織犯罪防止条約(TOC条約・パレルモ条約)締結に欠かせない。条約を締結するためには、長期4年以上の懲役・禁錮刑に当たる重大な犯罪について、犯罪の合意(計画)段階から処罰できる「共謀罪」か、組織的な犯罪集団の活動に参加することを処罰する「参加罪」のいずれかが必要となる。
この条件を厳格に当てはめれば共謀罪を新設する対象犯罪は676に上るが、「対象が多すぎる」といった懸念もあり、対象犯罪が限定された経緯がある。
条約では、国内法上求められれば、重大犯罪を実行するための準備行為や組織的な犯罪集団が関与する場合に限定することを認めており、この「2つのオプション」を活用することで、テロ等準備罪は最終的に277の罪が対象となった。
「おじいさんが『山へ柴刈りに行こうか』とおばあさんに言ったら、森林法の共謀罪なんですか!」
社民党の福島瑞穂副党首は4月23日、JR新宿駅前(東京都)でこう訴えた。テロ対策といいながら「直接生命に関わらない犯罪」まで対象になるのは理屈に合わないと、野党は主張するのだ。
問題は「保安林」
なぜ森林法もテロ等準備罪の対象なのか。法務省幹部は「野党はキノコ狩りを取り上げているが、樹木や土砂が資金源になっていることが重要。保安上の問題がある刑が重いのだ。国際的には組織的犯罪集団が違法伐採で資金を稼いでいるケースもある」と説明する。
森林法197条は、森林でその産物を盗んだ者は、3年以下の懲役または30万円以下の罰金と規定している。通常の森林であれば、TOC条約が求める「重大な犯罪」に当たらない。
問題は森林法198条。「保安林の区域内」で森林の産物を盗んだ場合だ。法定刑は懲役5年以下または50万円以下の罰金で、TOC条約の対象となる。
法務省の林真琴刑事局長は4月28日の法務委で、「窃盗の対象にはコンクリートの原料となる砂も含まれる。暴力団などが販売目的で土砂を盗むことも想定される」と話した。
実際、平成12年には玄海国定公園(福岡県玄海町)で保安林のクロマツや土砂などを採取した指定暴力団の組長が逮捕される事件もあった。法務省幹部は「保安林とは水源涵養(かんよう)林や防風林、防砂林など公益を守るための森林だ。組織的犯罪集団が違法伐採すれば、森林の保水力がなくなり、洪水や土砂崩れが発生する恐れがある」と指摘する。
常識的な判断を
民進党「共謀罪」対策本部長の枝野幸男前幹事長は4月21日の衆院法務委で、こうただした。
「音楽教室で著作権料を支払わずに楽譜を使って演奏し、著作権法違反になれば、普通の団体も組織的犯罪集団に当たるのでは」
音楽教室に通う一般の人も組織的犯罪集団に当たる可能性はないのか、というのだ。これに対し、林刑事局長は「(音楽教室が)著作権法違反という犯罪行為を行うために集まっていると立証できなければ、犯罪のために結合している団体とは認められない」と否定したが、ある法務省幹部は「著作権法違反は組織的犯罪集団の資金源になっているCDやDVDなどの海賊版の製造・販売を念頭に置いている」と解説する。
音楽教室に通う市民合唱団などが、組織的犯罪集団であるはずがないが、法務省の幹部は「楽譜のコピーを違法と知らずコピーしていた場合も音楽教室が組織的犯罪集団といえるのか。われわれは(対象に)入らないと考えるが、その理屈は何かという議論だった」と振り返る。
その意味では、枝野氏の質問は「刑法の難しい論点」(法務省幹部)だ。
もっとも、だからといって普通の団体が犯罪集団に一変したらその限りではない。安倍晋三首相も2月17日の衆院予算委員会で「犯罪集団に一変した段階で(構成員が)一般人のわけがない」と答弁している。
テロ等準備罪に反対する市民団体が4月6日、東京の日比谷公園で開いた集会では、会場前で多くのビラが配られた。極左暴力集団(過激派)革マル派のものもあり、「〈今日版治安維持法〉の制定を許すな!」という文字が躍っていた。
「共謀罪NO!」のプラカードを掲げた参加者を前に、野党議員らは「とんでもない監視社会になる」などと声を張り上げていたが、適用対象は「テロリズム集団その他の組織的犯罪集団」と明記されており、一般市民や一般企業が処罰されることはない。構成要件をみれば「内心の自由を脅かす」といった批判があたらないのは一目瞭然(りょうぜん)だ。
野党の主張はときに恣意(しい)的で、議論をすり替え、ことさら捜査への不安をあおっているようにも見える。北朝鮮がミサイル発射を強行する中、法整備は急務だ。キノコや柴刈りといった揚げ足取りではなく、冷静で中身のある議論を望みたい。
(引用以上)
テロ等準備罪を分かりやすく解説
衆議院議員丸山穂高の長文ブログ様、2017-04-05 18:35:13
(日本維新の会、衆議院、大阪19区)
(前略)
提案理由
近年における犯罪の国際化及び組織化の状況に鑑み、並びに国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約の締結に伴い、テロリズム集団その他の組織的犯罪集団による実行準備行為を伴う重大犯罪遂行の計画等の行為についての処罰規定、犯罪収益規制に関する規定その他所要の規定を整備する必要がある。
これが、 この法律案を提出する理由となっています。早速小難しいので解説を加えながら簡単にいうと、
IS(イスラム国)などのテロ集団とか麻薬密売組織とか、今の世の中、犯罪が国際化してるので日本の警察もその情報をきちんと世界の捜査機関とやり取りして未然に防止すべきだよね。でも、日本は国連の条約「国際組織犯罪防止条約(略称:TOC条約、パレルモ条約)」を結べていないので、そうした国際的な犯罪集団の情報についての他国との綿密なやり取りができない。条約を結ぶためには条件があって、そのために国内の法律を改正しなきゃいけないんだよ。
ということです。この背景には日本は東京オリンピックも3年後に控えているという事情もあります。
法案の名前からもテロのみを規制する法案というイメージがありますが、注意が必要なのは、決して法案がテロのみを取り締まり目的としているのではなくて、テロリストも含めたあらゆる組織犯罪が取り締まり対象であり、そもそもの条約が求めているのもテロだけでないのです。
(与党審査で「テロリスト集団その他の」という文言が入った政治的過程があるのですが、あまり意味のある文言ではありません。役所もこの文言は例示であって、その文言の有り無しで意味の違いはないと明言。)
つまり、そもそもこの法律をつくらなければならない最大の理由は、上記の国際条約を批准(結ぶことです。)するために、国内法を整備するということなのです。
そして、その条件とは何か。それは、この条約の第2条と第5条あたりに書かれています。
----- 条約 -----
第二条 用語
この条約の適用上、
(a)「組織的な犯罪集団」とは、三人以上の者から成る組織された集団であって、一定の期間存在し、かつ、金銭的利益その他の物質的利益を直接又は間接に得るため一又は二以上の重大な犯罪又はこの条約に従って定められる犯罪を行うことを目的として一体として行動するものをいう。
(b)「重大な犯罪」とは、長期四年以上の自由を剥はく 奪する刑又はこれより重い刑を科することができる犯罪を構成する行為をいう。
第五条 組織的な犯罪集団への参加の犯罪化
1 締約国は、故意に行われた次の行為を犯罪とするため、必要な立法その他の措置をとる。
(a)次の一方又は双方の行為(犯罪行為の未遂又は既遂に係る犯罪とは別個の犯罪とする。)
(i)金銭的利益その他の物質的利益を得ることに直接又は間接に関連する目的のため重大な犯罪を行うことを一又は二以上の者と合意することであって、国内法上求められるときは、その合意の参加者の一人による当該合意の内容を推進するための行為を伴い又は組織的な犯罪集団が関与するもの
(ii)組織的な犯罪集団の目的及び一般的な犯罪活動又は特定の犯罪を行う意図を認識しながら、次の活動に積極的に参加する個人の行為
a組織的な犯罪集団の犯罪活動
b組織的な犯罪集団のその他の活動(当該個人が、自己の参加が当該犯罪集団の目的の達成に寄与することを知っているときに限る。)
(b)組織的な犯罪集団が関与する重大な犯罪の実行を組織し、指示し、ほう助し、教唆し若しくは援助し又はこれについて相談すること。
---------------
またまたややこしいので、条約を簡単にすると、
条約を結ぶにあたっては、四年以上の懲役や禁固刑以上の罪をするような、犯罪を目的とする集団に対して、国内法で、合意した段階もしくはその集団の活動に参加した段階のどちらかで取り締まる法律を作ってね。ただし、合意の段階で罪にするという法律の方を選ぶときには、その中の誰かが準備する具体的な行為をした場合とかに限定してもいいよ。
というものです。
慎重意見の中には、条件をつけて留保できるのではという意見もありますが、条約の本筋の部分を留保して批准というのは如何なものかですし、今まで日本は本筋の部分を留保して批准した条約はないとのこと。
また、この条約は世界でほとんどの国180か国以上が参加しているのですが、外務省が調べられる範囲で調べた結果、例えばOECD諸国において、この合意で処罰(いわゆる合意罪)も参加で処罰(いわゆる参加罪)もどちらもなしにこの条約を批准している国はないということでした。
▼そもそも国内法なんて整備しなくても条約結べるのでは、という意見に対する法務省正式見解は以下。
http://www.moj.go.jp/keiji1/keiji_keiji35-2.html
日本はこの批准を目指すにあたって、より要件がしっかりしている合意罪の方を選んでいます。それが今回の法案なのです。
そして、法案自体はどういうもので、何をしたら罪になるのかというと、それは今回の法案の2条(現行法と変わらず)と改正案6条の2あたりに書かれています。
----- 法案 -----
第二条
この法律において「団体」とは、共同の目的を有する多数人の継続的結合体であって、その目的又は意思を実現する行為の全部又は一部が組織(指揮命令に基づき、あらかじめ定められた任務の分担に従って構成員が一体として行動する人の結合体をいう。以下同じ。)により反復して行われるものをいう。
改正案第六条の二
次の各号に掲げる罪に当たる行為で、テロリズム集団その他の組織的犯罪集団(団体のうち、その結合関係の基礎としての共同の目的が別表第三に掲げる罪を実行することにあるものをいう。次項において同じ。)の団体の活動として、当該行為を実行するための組織により行われるものの遂行を二人以上で計画した者は、その計画をした者のいずれかによりその計画に基づき資金又は物品の手配、関係場所の下見その他の計画をした犯罪を実行するための準備行為が行われたときは、当該各号に定める刑に処する。ただし、実行に着手する前に自首した者は、その刑を減軽し、又は免除する。
一 別表第四に掲げる罪のうち、死刑又は無期若しくは長期十年を超える懲役若しくは禁錮の刑が定められているもの五年以下の懲役又は禁錮
二 別表第四に掲げる罪のうち、長期四年以上十年以下の懲役又は禁錮の刑が定められているもの二年以下の懲役又は禁錮
2 前項各号に掲げる罪に当たる行為で、テロリズム集団その他の組織的犯罪集団に不正権益を得させ、又はテロリズム集団その他の組織的犯罪集団の不正権益を維持し、若しくは拡大する目的で行われるものの遂行を二人以上で計画した者も、その計画をした者のいずれかによりその計画に基づき資金又は物品の手配、関係場所の下見その他の計画をした犯罪を実行するための準備行為が行われたときは、同項と同様とする。
---------------
これまたややこしいので簡単にすると、法案の中身は、
犯罪が主目的の組織で、更にその組織にはきちんと指揮命令系統と役割の分担があって、何度も反復して既に犯罪をやっている組織での活動として、個人ではなく組織として犯罪をやることを計画した場合に、その計画した人のうちの一人でもお金を用意したり、物を用意したり、現場の下見をしたりといった準備をしたら、その計画した人たちは罰するよ。計画を実行に移す前に自首したら罪は軽くなるよ。どの犯罪が対象になるかは後ろの表で並べるね。
ということです。
これまで何度かいわゆる共謀罪法案という形で、同様の法案が国会に提出されて廃案(つまり成立せず。)となっていますが、今回出されてきたものは以前提出された法案よりも更に、罪になるかどうかの要件がかなり絞られています。
本法案での絞りこみや要件の縛りをぱっと列挙するだけでも、
「多数人、組織的」… つまり個人は当てはまらない
「指揮命令、任務の分担」… 指揮命令系統や役割分担がない組織は当てはまらない
「行為の反復」… 今まで何も犯罪をしていない組織の一度きりの話は当てはまらず
「結合関係の基礎としての共同目的が犯罪」… 組織の”主”目的が犯罪の場合のみ
「二人以上で計画」… そうした犯罪集団の構成員でも一人での計画は当てはまらず
「準備行為」… 計画しただけでは罪ではない、計画者の誰かが準備行為をしなきゃ
の縛りがあり、さらに対象の犯罪を絞り込むことで、何でもかんでも入らないようになっています。その対象犯罪については大きく分けると5分類、277罪まで絞り込まれています。
(後略)
(引用以上)
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2.添付資料
引用
東京新聞政治部@tokyoseijibu、21:33 - 2017年3月21日 (ツイッター)
…主な条文とそのポイント
…対象となる全277罪
テロ等準備罪Q&A
法務省ホームページ、トップページ > 所管法令等 > 国会提出法案など > 国会提出主要法案第193回国会(常会) > 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案
リンクのみ
テロ等準備罪Q&Aとともに掲載されている解説等(法務省ホームページ)
・要綱
・法律案
・理由
・新旧対照条文
以下、引用文
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東京新聞政治部@tokyoseijibu、21:33 - 2017年3月21日 (ツイッター)
本日の東京新聞朝刊は永久保存版と自負しています。閣議決定された「共謀罪」法案に関する記事が中心です。まずは法案の主な条文とそのポイント。そして、共謀罪の対象になる277の罪をすべて掲載しました。7面に一括掲載されていますので、お見逃しないように…。
(引用以上)
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テロ等準備罪Q&A
法務省ホームページ、トップページ > 所管法令等 > 国会提出法案など > 国会提出主要法案第193回国会(常会) > 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案
※テロ等準備罪Q&Aとともに掲載されている解説等
・要綱
・法律案
・理由
・新旧対照条文
テロ等準備罪処罰法案について
【質問1】
どうして,テロ等準備罪を新設する必要があるのですか?
【回答】
国際社会の一員として,テロを含む組織犯罪を未然に防止し,これと戦うため の枠組みである国際組織犯罪防止条約(TOC条約)を締結して,国民の生命・ 安全を守るためです。
近年,世界各地で大規模なテロが続発する一方,我が国においても,暴力団に よる組織的な殺傷事案,いわゆる振り込め詐欺のような組織的な詐欺事案などの 組織犯罪が多発しています。3年後に迫った東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を控える中, このような国内外の組織犯罪情勢等を考慮すると,テロを含む組織犯罪の未然防 止に万全の態勢を整える必要があります。
また,テロを含む組織犯罪と戦うための国際的な枠組みであるTOC条約につ いては,これまでに187の国と地域が締結し,先進7か国(G7)の中で締結 していないのは,我が国だけです。テロを含む組織犯罪対策において国際協力を 推進する上でも,TOC条約の締結は急務です。
そこで,テロ等準備罪を新設してTOC条約を締結することにより、国民の生 命・安全の確保に万全を期すとともに,国際社会との連携を一層強化することと したものです。
(注)TOC条約は,一層効果的に国際的な組織犯罪を防止し,これと戦うための協力を促進することを目的とす る条約であり,我が国は,平成15年5月にその締結について国会の承認を得ています。この条約は,平成15年 9月に発効しており,この条約を締結していない国連加盟国は,平成29年3月現在で日本を含めて11か国のみ です。
【質問2】
テロ等準備罪の新設により,どのような効果が期待できますか?
【回答】
テロ等準備罪の新設によって,テロリズム集団を含む組織的犯罪集団が犯罪の 実行に着手する前の段階での検挙・処罰が可能となり,被害の発生を未然に防止 できることになります。
また,国際組織犯罪防止条約(TOC条約)を締結することにより,国際的な 逃亡犯罪人引渡しや捜査共助が更に充実することになります。加えて,組織犯罪 に関する情報収集について,これまで以上に国際社会と連携することが可能とな り,一層強化された国際協力の下で,テロを含む国際的な組織犯罪と戦うことが できるようになります。
【質問3】
「テロ等準備罪」と,かつての「組織的な犯罪の共謀罪」は何が違うのですか?
【回答】
かつて政府が提出した法案における「組織的な犯罪の共謀罪」に対して,国会 における審議等では,「正当な活動を行う団体も対象となるのではないか」, 「内心が処罰されることになるのではないか」などといった不安や懸念が示され ました。
このような不安や懸念を踏まえて検討した結果,今回提出した法案のテロ等準 備罪においては,
①犯罪の主体を組織的犯罪集団に限定することを明文で規定し,
②対象犯罪を限定的に列挙して範囲を明確にし,
③計画行為に加えて実行準備行為が行われたときに初めて処罰されることとしており,
これらの3点が,「組織 的な犯罪の共謀罪」との主要な違いです。
このように,犯罪の主体を組織的犯罪集団に限定することにより,一般の会社 や市民団体,労働組合,サークルや同好会などの正当な活動を行っている団体が 適用対象とならないことを一層明確にしました。
また,犯罪の計画をしただけで は処罰されず,実行準備行為が行われて初めて処罰することにより,内心を処罰 するものではないことも一層明確になりました。そして,対象犯罪を限定的に列 挙することで処罰範囲が明確になりました。
【質問4】
テロ等準備罪により,一般国民が処罰されるおそれはないのですか?
【回答】
テロ等準備罪には,法律の明文により,厳格な要件が定められています。
テロリズム集団による組織的なテロ事案,暴力団による組織的な殺傷事案などの,組 織的犯罪集団が関与する重大な犯罪の計画とそれに基づく実行準備行為が行われ た場合に限り処罰することとされています。したがって,国民の一般的な社会生 活上の行為がテロ等準備罪に当たることはありません。
テロ等準備罪の適用対象である「組織的犯罪集団」とは,組織的犯罪処罰法上 の「団体」のうち,構成員の共同の目的が一定の重大な犯罪を実行することにあ るものを言います。このような組織的犯罪集団に該当すると考えられるのは,テ ロリズム集団や暴力団,薬物密売組織,振り込め詐欺集団などの違法行為を目的 としている団体に限られます。
ですから,一般の会社や市民団体,労働組合,サークルや同好会などの正当な 活動を行っている団体は,犯罪を行うことを目的としていないので,組織的犯罪 集団に当たりません。したがって,一般の会社や市民団体,労働組合,サークル や同好会などの正当な活動を行っている団体は,テロ等準備罪の対象とはなりま せん。
(参考)
・国際組織犯罪防止条約(TOC条約)の関連規定
・テロ等準備罪を新設する規定
【質問5】
テロ等準備罪が設けられると,電話や室内での会話が盗み聞きされ たり,メールやSNSのやり取り等が常に監視されるなどして,捜査 権限が拡大・濫用されて,国民生活が広く監視されるようになってしまうのではないですか?
【回答】
テロ等準備罪には,法律の明文により,厳格な要件が定められています。
テロ リズム集団による組織的なテロ事案,暴力団による組織的な殺傷事案などの,組 織的犯罪集団が関与する重大な犯罪の計画とそれに基づく実行準備行為が行われ た場合に限り処罰することとされています。したがって,国民の一般的な社会生 活上の行為がテロ等準備罪に当たることはありません。
また,テロ等準備罪の捜査においても,他の犯罪の捜査と同様,刑事訴訟法に 基づいた適正な捜査が行われることになります。そして,逮捕や捜索・差押えな どの強制捜査に必要となる令状は裁判官の審査を経て発付されるため,このよう な裁判官の判断によって捜査の適正が確保されます。さらに,テロ等準備罪の新設に際して,通信傍受法の拡大や会話傍受の導入な ど新たな捜査手法を導入することは予定しておらず,捜査権限が拡大・濫用され て,国民生活が広く監視されるようになるなどというおそれはありません。
国際組織犯罪防止条約(TOC条約)の関連規定
第2条 用語
この条約の適用上,
(b) 「重大な犯罪」とは,長期4年以上の自由を剥奪する刑又はこれより重い刑を科することができる犯罪を構成する行為をいう。
第5条 組織的な犯罪集団への参加の犯罪化
1 締約国は,故意に行われた次の行為を犯罪とするため,必要な立法その他の措置をとる。
(a) 次の一方又は双方の行為(犯罪行為の未遂又は既遂に係る犯罪とは別個の犯罪とする。)
(i) 金銭的利益その他の物質的利益を得ることに直接又は間接に関連する目的のため重大な犯罪を行うことを一又は二以上の者と合意することであって,国内法上求められるときは,その合意の参加者の一人による当該合意の内容を推進するための行為を伴い又は組織的な犯罪集団が関与するもの
(ii) 組織的な犯罪集団の目的及び一般的な犯罪活動又は特定の犯罪を行う意図を認識しながら,次の活動に積極的に参加する個人の行為
a 組織的な犯罪集団の犯罪活動
b 組織的な犯罪集団のその他の活動(当該個人が,自己の参加が当該犯罪集団の目的の達成に寄与することを知っているときに限る。)
テロ等準備罪を新設する規定
テロ等準備罪処罰法案による改正後の組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等 に関する法律(組織的犯罪処罰法)
(テロリズム集団その他の組織的犯罪集団による実行準備行為を伴う重大犯罪 遂行の計画)
第6条の2
1 次の各号に掲げる罪に当たる行為で,テロリズム集団その他の組織的犯罪集団(団体のうち,その結合関係の基礎としての共同の目的が別表第3に掲げる罪を実行することにあるものをいう。次項において同じ。)の団体の活動*として,当該行為を実行するための組織により行われるものの遂行を二人以上で計画した者は,その計画をした者のいずれかによりその計画に基づき資金又は物品の手配,関係場所の下見その他の計画をした犯罪を実行するための準備行為が行われたときは,当該各号に定める刑に処する。ただし,実行に着手する前に自首した者は,その刑を減軽し,又は免除する。
一 別表第4に掲げる罪のうち,死刑又は無期若しくは長期10年を超える懲役若しくは禁錮の刑が定められているもの 5年以下の懲役又は禁錮
二 別表第4に掲げる罪のうち,長期4年以上10年以下の懲役又は禁錮の刑が定められているもの 2年以下の懲役又は禁錮
2 前項各号に掲げる罪に当たる行為で,テロリズム集団その他の組織的犯罪集団に不正権益を得させ,又はテロリズム集団その他の組織的犯罪集団の不正権益を維持し,若しくは拡大する目的で行われるものの遂行を二人以上で計画した者も,その計画をした者のいずれかによりその計画に基づき資金又は物品の手配,関係場所の下見その他の計画をした犯罪を実行するための準備行為が行われたときは,同項と同様とする。
* 団体の活動: 団体(共同の目的を有する多数人の継続的結合体であって,その目的又は意思を実現す る行為の全部又は一部が組織により反復して行われるもの)の意思決定に基づく行為であって,その効 果又はこれによる利益が当該団体に帰属するもの 〔第2条第1項・第3条第1項〕
(引用以上)
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改訂履歴
※2017.6.19、23:50、引用文追加(冒頭)
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